今回は、テレワークについてです。
結論としては
テレワークにより、仕事とプライベートの境界が曖昧になるのはリスクにもなる
です。
コロナ騒ぎで、世の中はテレワーク(在宅勤務やリモートワーク)化が一気に進みました。
テレワークなどを推進するために、あえてコロナ騒ぎを煽ったようにも見えますが。。。
とは言え、コロナ騒ぎが無かったとしても、遅かれ早かれテレワーク化が進んでいたのは間違いないでしょう。
時代に合った働き方というところですね。
実際に、テレワークには様々なメリットがあります。
・企業側のコスト削減
・多様な働き方
・通勤における時間や体力の消費を回避
・QOLや生産性の向上の可能性
・自由な時間が増える
などです。
テレワークが不可能な業種を除き、現在テレワークを取り入れていない企業は、時代遅れというイメージにもなってしまいます。
テレワークを取り入れていない企業は、今後生き残ることが出来ない
なんてこともよく言われています。
つまり現在の流れとしては
テレワークを取り入れることは必要不可欠
という風潮なわけです。
確かにテレワークにはメリットもありますし、テレワーク化が今後加速していくことは既定路線でしょう。
しかし、そこには非常に大きなリスクも存在していると感じます。
テレワークによって自由を得ているように見えて、自由を失ってしまうリスクがあるのです。
それでは、テレワークによるリスクについて説明していきます。
仕事の捉え方
仕事をどうとらえるかは、人によって大きく異なります。
仕事を好きな人もいれば、嫌いな人もいます。
自己実現などのために仕事をしている人もいれば、お金のためだけの人もいます。
仕事が人生で最も大切な人もいれば、自分の趣味や家族との時間などが最も大切な人もいます。
つまり
人生における仕事の位置づけや役割は、人それぞれ違う
ということです。
そして、このことは何が良いとか悪いとかいうことではありません。
単に、その人の価値観の問題です。
もちろん、自分の仕事が好きだったり、やりがいがあったりする方が人生は充実するでしょう。
しかし仕事が好きだったり、やりがいを感じていることは、人生の中心が仕事であることと同義ではありません。
仕事に生きがいを感じている人もいれば、やりがいは感じても生きがいは感じない人もいます。
ですから、ざっくり言えば
・人生の軸が仕事にある人
・人生の軸が仕事以外にある人
と分けることが出来るわけです。
傾向として、人生の軸が仕事にある人は、仕事とプライベートをあまり分けません。
分ける必要もないですからね。
それに対して、人生の軸が仕事以外にある人は、仕事とプライベートを切り離して明確に区別しようとする傾向があります。
この違いが、テレワークがメリットになるかでメリットになるかの差に繋がっていきます。
仕事とプライベートの境界線

テレワークには
仕事とプライベートの境界線が曖昧になる
という作用があります。
以前の産業化社会などの、9時から18時まで工場で働いていたような時代は、職場から出てしまえば仕事は終わりです。
例えば、家で車の製造の続きをすることはできませんよね。
つまり、以前は仕事とプライベートは強制的に切り離されていたので、仕事とプライベートの間には明確なラインがありました。
しかし、パソコンやスマホやネットの普及、そして仕事内容の変化により、現在はいつでもどこでも仕事ができる人が非常に増えています。
だからこそ、テレワークが可能なわけです。
そしてそれは、仕事とプライベートの境界が曖昧になっていることでもあります。
テレワークは、時間や場所という物理的に仕事とプライベートを切り離すものを消し去ったのです。
そのため、いつでもどこでも仕事の時間でもあり、プライベートの時間でもある状態になってきています。
このことは、メリットでもあり、デメリットでもあります。
大まかに言えば
・人生の軸が仕事にある人にとってはメリット
・人生の軸が仕事以外にある人にとってはデメリット
と言えます。
仕事が人生の中心にある人にとっては、仕事とプライベートの境界がないということは、非常に好ましい状況といえます。
仕事に打ち込むための時間も自由増え、生産性が上がりやすくなります。
何より、いつでもどこでも仕事ができるということは、幸せな人生を送れているということになるでしょう。
しかし、人生の中心が仕事ではなくプライベートにある人は、境界が曖昧なことは非常に困難な状況です。
仕事とプライベートを明確に区別したいわけですからね。
このような人にとっては、自分の大切な時間に、仕事が侵食してきてしまっているようなものです。
大切なプライベートの時間の楽しむ純度が落ちてしまうようなイメージですね。
つまり、仕事以外に人生の軸を持っている人にとっては、このことはテレワークの大きなリスクです。
テレワークが広がるにつれて、この問題は今後顕在化してくるかもしれません。
自由を得ることによる不自由

テレワーク化は、今後さらに進んでいくでしょう。
そして、どんどん自由度が増していくと思われます。
自由なことは良いことではあるのですが、そこには大きな危険もはらんでいます。
自由である以上、仕事とプライベートの境界を明確にしたい人は、自分で線引きをしなくてはなりません。
また、自由には責任が付きまといます。
自由を与えられるのと同時に、成果主義も加速していきます。
つまり、自由の中において
・自分で仕事とプライベートのラインを引く
・自分で決めた仕事の範囲の中で、明確な成果を出す
ということをコントロールし続けなくてはならないのです。
これは、実は非常に難しいことです。
どうしても成果のことを考えて仕事に意識が行ってしまったり、仕事中にプライベートのことに気が行ってしまったりもします。
自由度が上がれば上がるほど、その自由をコントロールするのは至難の業になるのです。
つまり
自由を得ることによって、プライベートの自由が失われる
ということになりかねないわけです。
恐らく、しっかりラインを引きたい人にとっては、完全な自由よりも「制限付き自由」の方が好ましいのです。
・仕事の時間中は、自由はない
・仕事以外の時間は、仕事から自由になる
という感じです。
このくらいのレベルの制限された自由が、ちょうどいいのだと思います。
完全な自由をしっかりコントロールできる人は、ほとんどいません。
つまり、人生の中心が仕事ではない人にとってテレワークは、むしろプライベートの自由を奪うものと言えるのです。
まとめ

・テレワークは、仕事とプライベートの境界線を曖昧にする
・テレワークによる自由は、むしろプライベートの自由を奪いかねない
テレワークが進んでいくと、勤怠管理などの徹底が進むのではなく、成果主義が進んでいくのが自然な流れでしょう。
成果さえ出せば、何をしていてもいい
という感じです。
そして成果でのみ評価されるわけですから、いつも仕事のことを考えてしまう人も増えてしまうでしょうね。
どんどんプライベートの自由が失われていきます。
有能で人生の軸が仕事にある人にとっては、テレワーク化による自由と成果主義は歓迎するべきものでしょう。
しかし、そうでない人にとっては明るい未来とは言い難いのです。
風潮的にテレワークが正義のようになっていますが、決して忘れてはいけないのは
テレワーク化は、強者の論理
ということです。
格差が広がるのは間違いありません。
テレワークや成果主義を否定しているわけではありませんが、少なくとも全員にとって好ましいものではないのです。
雰囲気に流されるのではなく、自分に合った働き方をよく考える必要があります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。