今回は、昼寝についてです。
結論としては
・昼寝は寿命を延ばし、生産性も向上させる。
・昼寝をするのは、15時より前に30分程度が好ましい。
となります。
日本において、社会人や学生が会社や学校で昼寝をするのは、なかなか難しい環境ですよね。
日本社会における昼寝の認識というのは
・気持ちがたるんでいる
・やる気がない
というようなものが大半でしょう。
しかし、ここ最近は世界的に昼寝が見直されてきている傾向にあります。
昼寝をすることで仕事の生産性が上がることもわかっているため、昼寝を導入する企業も出てきています。
さらに言えば、そもそも人間の睡眠にとっては、昼寝をする方が自然なのです。
昼寝をすることで、健康になり寿命が延びることもわかっています。
そこで今回は、昼寝のメリットや注意点などについて説明していきます。
科学的にわかっている昼寝に対する知識を得て、上手く昼寝を活用してください。
人間にとっての自然な睡眠

そもそも現代人の睡眠は、就寝時刻・睡眠時間・睡眠回数のどれをとっても、人間本来の自然な睡眠とは大きくかけ離れてしまっています。
多くの現代人は、深夜に眠り朝早く起きる1日1回の睡眠になっていて、平均睡眠時間は7時間以下です。
睡眠時間が短いということは非常に大きな問題ですが、実は1日1回の睡眠というのも人間にとって自然な睡眠ではありません。
1日1回睡眠をとるのを「単相睡眠」、1日2回睡眠をとるのを「2相睡眠」と言いますが、人間にとって自然な睡眠は単相睡眠ではなく2相睡眠なのです。
世界には、電気を使わない狩猟採集民が存在します。
そのような人たちの睡眠は
昼に、30分~1時間ほど眠る。
夜に、7時間ほど眠る。
というように、1日2回睡眠をとる2相睡眠で生活をしています。
つまり、昼寝をしているわけです。
夜の睡眠は、日没してから2~3時間後に眠りにつき、夜明け前後に起きます。
つまり、人間にとって自然な睡眠とは
・日没後2~3時間後から夜明け前後まで眠る
・昼に30分~1時間程度、昼寝をする
というものなのです。
しかし、先進諸国などの現代人は
・深夜に眠りにつき、朝早く起きる
・昼寝はしない
という睡眠になっています。
慢性的な睡眠不足になるのは、当然のことなのです。
ちなみに、2相睡眠は文化や人種や地域などによるものではなく、生物学的なものだそうです。
正確な理由はわかっていませんが、午後になると人間は遺伝的に眠くなると言われています。
昼寝をやめると死亡リスクが高くなる

昼寝と健康の関係について、ハーバード大学がギリシャ人2万3000人に対して行った調査があります。
この調査では、元々昼寝の習慣があった人たちに昼寝をやめてもらい、6年間追跡調査をしています。
その結果は
・昼寝をやめた人は、心臓病による死亡リスクが37%上昇した。
・特に働く男性に関しては、60%上昇した。
となったそうです。
他にも様々な調査や研究が行われており、昼寝をやめると死亡リスクが高まり、寿命が短くなってしまうことが分かっています。
また、現代でも昼寝の習慣のある地域の多くは、長寿の傾向があることもわかっています。
昼寝のメリット

このように、昼寝をすることは健康に対してメリットがあり、昼寝をすることによって寿命が延びるのです。
その他にも、昼寝のメリットとして
・集中力が上がる。
・記憶力が強化される。
・ストレスが解消される。(気持ちがリフレッシュする。)
・睡眠負債の解消に役立つ。
などがあり、健康面だけでなく、仕事においての生産性向上にもつながることが分かっています。
そのため、世界的には昼寝を推奨する企業が増えてきています。
最近ではGoogleやNikeなどのように、昼寝のための部屋を社員のために設ける企業もあるくらいです。
これは、昼寝を推奨したり昼寝の部屋を設けている企業が、社員に特別優しい企業だというわけではありません。
昼寝をしてもらった方が、企業にとってもプラスなのです。
昼寝をしてもらうことによって、社員の健康だけでなく生産性も向上しますから、結果として企業の利益の最大化に繋がるのです。
ひたすら缶詰めになって頑張って仕事をしても、むしろ生産性は下がってしまうわけです。
つまり、昼寝を導入するということは、企業と社員にとって「Win-Win」だということです。
昼寝の注意点

ここまで説明したように、昼寝をすることには様々なメリットありますが、注意点が2つあります。
1つ目は、昼寝の長さに関することです。
昼寝の時間が1時間を超えると、心筋梗塞や脳梗塞による死亡リスクが2倍程度になり、アルツハイマー病の発症リスクも約2倍になることが分かっています。
さらに、2時間を超得る昼寝を続けると、死亡リスクが約5倍になるという研究結果もあります。
このことから
昼寝の時間は30分間程度が好ましい
と言われています。
長すぎる昼寝は、逆効果になってしまうわけです。
2つ目の注意点は、昼寝をする時間帯に関することです。
昼寝をする時間帯としては、15時より前にした方が良いことが分かっています。
15時以降に昼寝をすると、夜寝る時に睡眠圧であるアデノシンが不足して、夜眠りにくく睡眠の質が落ちてしまうのです。
昼寝の注意点をまとめると
・昼寝は30分程度が好ましく、1時間以上はしない方が良い
・15時より前までに昼寝を終わらせた方が良い
となります。
まとめ

・人間にとっての自然な睡眠は、1日2回寝る2相睡眠。
・昼寝をやめると、死亡リスクが高くなる。
・昼寝は寿命を延ばし、仕事の生産性も向上させる。
・昼寝は30分程度にして、15時以降はやめたほうが良い。
15時より前の30分程度の昼寝は、あらゆる面でメリットがあります。
ちなみに、勉強に関しても仕事と同様に効率が上がります。
ほとんどの人にとっては、毎日昼寝を習慣にした方が良いことは、少なくとも科学的には確かな事実です。
しかし、徐々に昼寝が推奨されるようになってきているとはいえ、会社や学校で昼寝をするのが難しい場合の方が多いのが現状です。
ですから昼寝が難しい場合は、こっそり抜け出してトイレで15分でも仮眠をとるなどを実践してみてはいかがでしょうか。
トイレがどうかは別として、とにかく良い場所とタイミングを見つけて、少し昼寝をする意識をしてみてください。
健康のためにもなりますし、頭もクリアになります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。