今回は、資産形成を成功させるための、最も確実な方法についてです。
結論から言うと
優良インデックスファンドへの長期積み立て投資
がその方法です。
この方法は、誰もが資産形成を成功できる可能性が非常に高い再現性のある方法ですが、短期間ではお金持ちにはなれません。
短期間でお金持ちになろうとしたら、ギャンブルや投機をしなくてはなりませんから、再現性は無くなってしまいますよね。
ここでは、そのような一攫千金ではなく、再現性と確実性の高い方法を説明します。

元々資産家などではない人が、少額ずつでも資産を築くためには、「複利の力」を利用する必要があります。
複利の力を発揮するためには時間が必要ですから、長期投資が前提になります。
(複利と長期投資については、以下の記事を参考にしてください。)

また長期投資を行うためには、出来るだけ早く始めて継続しなくてはいけませんよね。
・少額からでも、いつからでも始められる
・継続するための精神的安定を得やすい
これらを満たすために、ドルコスト平均法などの積み立て投資が有効になります。
(ドルコスト平均法については、以下の記事を参考にしてください。)

これらのことから、再現性のある資産形成のために最も適している投資手法は、ドルコスト平均法による「長期積み立て投資」と言えます。
では、投資手法は長期積み立て投資だとして、次に考えなくてはいけないのは「何に投資するか」ということですね。
ここから先は、長期積み立て投資で買うべきものを説明していきます。
投資信託

投資をするというと、どこかの会社の個別の株を買うようなイメージがあるかもしれませんが、個別株を買うだけが投資ではありません。
個別株は、その会社が倒産してしまえば買った分のお金は0になってしまいますから、リスクの高い投資対象です。
上級者向けであり、再現性の高い確実な資産形成をしたい人には不向きです。
ですから、個別株ではなく、「投資信託」を買うことがお勧めです。
投資信託は、ファンドとも呼ばれるもので
プロのファンドマネージャーに、お金を預けて運用してもらう仕組み
のことを言います。

運用してもらう個人投資家は、ファンドマネージャーに手数料を支払います。
ファンドマネージャーは、個人投資家からお金を集めた膨大な資金で、様々な会社の株などを買います。
それらの株などの詰め合わせパックを、個人投資家に配分するイメージです。
投資信託のメリットとしては
・少額から(100円~)購入できる
・一つの投資信託を買えば、数十~数千の銘柄に分散できる
ということがあります。
日本の個別株だと、一つの銘柄を買うのに数万円~数十万円かかります。
それに対して投資信託では、100円という少額から購入することが可能です。
しかも投資信託は詰め合わせパックなので、一つ買うと数十~数千の銘柄に分散していることになります。
つまり投資信託を購入するということは、少額であっても幅広く分散することができ、リスクを低減することができるということです。

自分で銘柄を分析して選定しなくても、少額から幅広く分散投資ができるわけですから、投資初心者や多くの個人投資家にとっては願ってもない金融商品と言えますね。
優良インデックスファンドに投資する

では投資信託であれば、何でも良いかと言えば、そんなことはありません。
日本だけでも6000本以上の投資信託が存在しますが、投資をするべき優良な投資信託は、その中でほんの一握りだけです。
その一握りの優良な投資信託を選んで、投資する必要があります。
優良な投資信託の条件としては
・手数料が安いこと
・長期的には右肩上がりに成長すること
となります。
まず投資信託には、大きく分けて2種類あることを知る必要があります。
・インデックスファンド
・アクティブファンド
この2つです。
(ファンドは投資信託のことです。)
インデックスファンド
インデックスファンドとは
指数と同じ値動きをすることを目指すファンド
のことです。
ニュースなどで「今日の日経平均は〇〇円上がって、□□円になりました。」というようなことを聞いたことありますよね。
この日経平均などを指数と言い、日経平均以外に有名な指数としてTOPIXやNYダウやS&P500などがあります。
日経平均
日経平均225とも言い、日本を代表する大企業225社の平均
TOPIX
日本東証一部上場全銘柄(約2000社)の平均
NYダウ(ニューヨーク・ダウ)
NYダウ30とも言い、米国を代表する大企業30社の平均
S&P500
米国に上場している大企業500社の平均
※ただし、平均の算出方法はそれぞれ異なります。
このような指数のことを、「市場平均」ということもあります。
つまりインデックスファンドは、市場平均に連動するようにファンドマネージャーが銘柄を組んでくれる投資信託です。
基本的には市場平均にほぼ一致した値動きをします。
市場平均に合わせるだけなので、ファンドマネージャーがやることは少ないですね。
アクティブファンド
アクティブファンドとは
指数を上回る運用成績を目指す投資信託
のことです。
つまり、アクティブファンドはインデックスファンドを上回ることを目指しています。
アクティブファンドは、市場平均を超える成績を出すためにファンドマネージャーが、様々な銘柄を頻繁に売買します。
色々考えて売買するわけなので、ファンドマネージャーの役割は大きいですね。
インデックスファンド > アクティブファンド
インデックスファンドとアクティブファンドの違いをまとめたのが、以下の表です。

インデックスファンドとアクティブファンドの、最大の差は「手数料」です。
アクティブファンドは、インデックスを上回るためにプロの手間がかかっていますし、売買を頻繁に繰り返すために売買手数料もかさみます。
そのためにインデックスよりもアクティブの方が、手数料が高くなります。
・手数料は高いけど、運用成績の高いアクティブファンド
・手数料は安いけど、運用成績の低いインデックスファンド
このようなイメージを持つ人が多いと思いますが、実はそうではありません。
現実には、大半のアクティブファンドはインデックスファンドの成績を上回ることができていないのです。
つまり
アクティブファンドの大半は市場平均に負ける
ということなのです。
1年間だと約6割、10年間だと約7割、20年間だと実に8割のプロが市場平均に負けるという結果になっています。
長期になればなるほどプロは市場平均に負けるということで、単年では勝てても継続的に市場平均に勝てるプロは、ほとんどいないということです。
また、市場平均に勝ち続けるプロも存在はしますが、私たち個人投資家が「誰が市場平均に勝てるプロなのか」を判断するのは至難の業です。
だったら、手数料が安くて運用成績が優れるインデックスファンドを選ぶのは必然と言えますよね。
手数料は安く
株式投資のリターンは年率平均5%あれば、なかなかの成績です。
それなのに手数料で毎年1~2%取られるというのは、リターンを押し下げる要因でしかありません。
手数料はリターンに直結してきますから、出来るだけ安く抑えた方が良いに決まっています。
優良なインデックスファンドと言えるレベルとしては、0.2%以下くらいを目安にしてください。
0.1%以下のファンドも存在します。
ただしインデックスファンドにも、手数料の高いものもあるので注意してください。
インデックスファンドだから必ず手数料が安いわけではありません。
また、同じ指数に連動するインデックスファンドはたくさんあります。
例えば日経平均に連動するインデックスファンドは1本しかないわけではなく、たくさんあるということです。
どれも日経平均に連動しているので、同じ値動きをしてリターンに差はありませんが、手数料はそれぞれ異なります。
手数料の高いファンドを買う意味は全くありません。
基本的には手数料の最も安いものを選ぶべきです。
成長性のある指数
手数料を安くするのと同様に、成長性のある指数のファンドを買うということも、非常に重要です。
いくら手数料を安くしても、指数が右肩下がりのようであれば、資産は減少する一方です。
「右肩上がりに成長する指数」のファンドを買う必要があります。
下のグラフは、日経平均と米国の代表的な指数であるS&P500の1960年から2018年までのチャートです。

これを見た時、どちらに投資しようと思うでしょうか。
当然、S&P500ですよね。
過去200年間での米国の年間平均リターンは、インフレ率を引いても6~7%もあります。
もちろん過去に成長したからといって、未来も同じように成長するかはわかりませんが、未来を予測する上での参考にはなりますね。
お勧めファンド

長期積み立て投資において、投資をするべき優良インデックスファンドの要件について説明してきましたので、具体的なお勧めファンドを紹介します。
どれも優良インデックスファンドの要件を満たすファンドですが、あくまでも選択肢の一つですので、最終的な判断は自己責任で行ってください。
大きく分けると、3つあります。
・S&P500に連動するインデックスファンド
・米国株式全体に連動するインデックスファンド
・全世界株式に連動するインデックスファンド
S&P500に連動するインデックスファンド
米国を代表する指数であるS&P500に連動するお勧めのインデックスファンドは以下の二つです。

S&P500はこれまでの歴史の中で、世界恐慌や戦争やリーマンショックなどの大暴落を何度も乗り越えて右肩上がりに成長し続けてきました。
そのため「世界最強の指数」と言われることもあります。
S&P500に連動するインデックスファンドを買うということは、米国を代表する大企業約500社に分散投資できるということです。
また米国企業の多くは米国内にとどまらず世界中に展開していますので、世界中の成長も吸収できるとも考えられます。
現在は米国が世界経済の中心ですから、S&P500に連動するインデックスファンドは選択肢に入れないわけにはいきませんね。
以下のグラフは、国別時価総額の割合です。

全世界の55%が米国です。
米国が世界経済の中心であることは、疑う余地がありませんね。
米国全体に連動するインデックスファンド
S&P500以上に米国全体に分散したい人にお勧めのインデックスファンドです。

S&P500が米国大企業約500社に分散しているのに対して、楽天VTIは大企業だけでなく中小企業も含めた米国企業4000社近くに分散されています。
米国をまるごと買ってしまうイメージですね。
ただしS&P500と楽天VTIはほとんど同じ値動きをしますので、S&P500と楽天VTIどちらかで良いと思います。
好みの問題になってきます。
2021年に、SBI証券からも前米株式に連動するインデックスファンドが登場しました。
「SBI・V・全米株式」といい、信託報酬は0.0938%です。
楽天VTIよりも安いですね。
全世界株式に連動するインデックスファンド
米国だけでなく、全世界に分散したい人にお勧めのインデックスファンドです。

全世界の企業約3000社に分散されているインデックスファンドです。
先程の国別時価総額割合のグラフでもわかる通り、現状ではこのオールカントリーの50~60%を米国が占めています。
しかし、仮に今後米国経済が失速し他の国が台頭してきた場合には、オールカントリーの内訳も変化します。
つまり、オールカントリーは成長の弱い国に足を引っ張られる面もありますが、世界経済全体の成長を享受できるわけですね。
株式で考えた場合には、分散投資の最高峰と言えるファンドです。
証券会社はネット証券一択

では、いざ優良なインデックスファンドを買おうと思っても、証券口座がなければ購入できません。
投資をするためには、まず証券口座を開設する必要があります。
証券口座を開設できるのは以下のところになります。

どこで証券口座を開設するか迷ってしまう人もいるかもしれませんが、迷う必要は全くありません。
ネット証券一択
です。
銀行・郵便局・総合証券といった窓口がダメな理由として
・手数料が高すぎる
・投資商品が少ない上に、優良な商品がない
・担当が付く
といったことが挙げられます。
投資をするに値するまともな商品がない上に、手数料がめちゃくちゃ高いのです。
単なるカツアゲです。
・購入時手数料:3~4%
・信託報酬(毎年払う手数料):2%
このくらいの手数料を取られたりします。
株式投資は平均年間利回り5%だせればまずまず良い成績なのですが、この利益を全てふっとばしてしまうような手数料です。
担当が付くことをメリットと思う人もいるかもしれませんが、ただのデメリットです。
買う商品を自分で選ぶのが難しいから、プロが優しくお勧めを教えてくれた方が良いと考えるのは大きな間違いです。
手数料こそが彼らの収益源です。
運用成績が良いとか悪いとかよりも、いかに手数料が大きい商品を売るかというのが彼らの考えていることです。
彼らが親切なのは、皆さんに利益をもたらすためじゃないです。
皆さんのお金を狙っているからだということを、よく覚えておいてください。
それに対してネット証券のメリットは、窓口のダメなところの逆ですね。
・手数料が安い
・投資商品が豊富で、優良な商品も多数ある
・担当がいない
店舗も構えず、担当者という人件費もないために手数料は非常に安いです。
ネット証券ができて増えてきてくれたおかげで、一昔前の投資は一部のお金持ちしかできないものから、誰もが少額から始められるものになりました。
ネット証券のお陰で誰もが資産形成をできるチャンスを得ることができたということですね。
ただ、ネット証券も多数あるので、どこにするか迷ってしまいますよね。
そんな人のためにお勧めのネット証券を紹介します。
初心者にも使いやすく手数料も最安クラスで、商品もとても豊富なネット証券二つです。
・楽天証券
・SBI証券
この2つは日本のネット証券の断トツのTOP2です。
口座開設数ではSBIが1位です。
増加数は楽天証券が1位です。
どちらも、とても使いやすくて手数料も最安クラスのネット証券です。
まとめ

・資産形成を確実に行うなら、優良インデックスへの長期積み立て投資
・優良インデックスの要件は、手数料が安く、成長性があること
・アクティブファンドの大半は、インデックスファンドに勝てない
・証券会社はネット証券一択
ここに書いてあることは王道中の王道で、資産形成における模範解答の一つです。
調べれて勉強さえすれば、誰でも手に入れられる情報です。
にも拘らず、銀行などの窓口で高い手数料を払って、ろくでもない金融商品を買っている人が未だにたくさんいます。
何事も、まず立ち止まって、学んで考えましょう。
鵜呑みにするのは、絶対にダメです。
常に考える習慣を付けましょう。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。