お金・投資

不動産投資より株式投資

不動産投資より株式投資

今回は、「株式投資と不動産投資のどちらが良いのか」についてです。

 

前提として、株式投資にも不動産投資にもそれぞれメリットもデメリットも存在しますから、普遍的な優劣をつけられるものではありません。

ですから今回は、投資初心者が行うとした場合、不動産投資と株式投資のどちらがベターかという視点で説明します。

 

結論としては

投資初心者には、不動産投資より株式投資の方がベター

となります。

 

それでは、その理由について説明していきます。

 

優良商品のキャパシティ

多くの投資初心者にとって、不動産投資よりも株式投資がベターである最大の理由が、「優良商品のキャパシティ」です。

 

当たり前ですが、株式投資でも不動産投資でも、どのような商品でもとにかく買えば利益が出るというわけではありません。

 

株式投資であれば

優良ファンド

優良銘柄

を買う必要がありますし、不動産投資であれば

優良物件

を手に入れる必要があります。

つまり、どのような投資であれ、利益を出すためには優良商品を手に入れる必要があるということに変わりはないということです。

 

しかし残念ながら、株式投資にしても不動産投資にしても、優良商品はほんの一握りしか存在しません。

大半の商品は、買っても利益が出なかったり損失が出てしまうようなゴミ商品です。

証券会社や不動産会社の営業マンなどは、そのようなゴミ商品をあたかも打ち出の小槌かのように見せかけて、売りつけてくるわけです。

 

ですから、私たち個人投資家は実りある投資にするために、ゴミ商品の山の中からわずかな優良商品を自分で見つけ出して手に入れなくてはならないのです。

 

そして実はこの工程において、株式投資と不動産投資の間には、大きな難易度の差があります。

一言で言えば

優良不動産物件を手に入れるのは、難易度が非常に高い

ということです。

投資初心者には、ほぼ無理と言ってもいいかもしれません。

逆に

優良ファンド・優良銘柄を手に入れるのは、大して難しくない

とも言えます。

優良ファンドや優良銘柄は、投資初心者でも十分手に入れることが可能です。

 

この理由としては情報量などもありますが、「優良商品のキャパシティ」が大きく関係しています。

 

優良物件のキャパシティ

不動産物件を大きく優良物件とゴミ物件に分けると、以下のようなイメージになります。

(実際には程度の差などもありますが、ここでは大まかに分けています。)

 

優良物件・ゴミ物件図

場所などにもよりますが、不動産物件が1000件あったとしたら、安定して利益を出せるような優良物件はせいぜい10件程度ででしょう。

 

そして、その10件の優良物件を手に入れられる人は、当然ながら延べ10人です。

優良物件のキャパシティが、10人分しかないのです。

 

このように聞くと、優良物件を手に入れるのは熾烈な1%の争奪戦と思うかもしれませんが、ほとんどの人は争奪戦に参加すらできません。

なぜなら数少ない優良物件は、資産家や限られた人脈の中でしか出回らないからです。

私たち個人投資家のところにやってくることはなく、早々に資産家などによって抑えられてしまうのです。

そして不動産業者は、残ったゴミ物件をあたかも優良物件かのように、個人投資家にあてがうというわけです。

言うまでもなく、特に狙われやすいのが投資初心者です。

 

でも当然と言えば当然なのです。

わずかしかなく限りがある優良物件ですから、知らない人には回しませんよね。

知り合いや、お互いWIN-WINになれる相手に紹介するのは当然ですね。

 

要するに

投資初心者が優良不動産物件を手に入れるのは、不可能に近い

ということです。

 

優良ファンド・銘柄のキャパシティ

では、同じように株式投資の場合も見てみましょう。

株式投資の場合は、以下のようになります。

 

優良ファンド・ゴミファンド図

優良ファンド・銘柄が、優良物件と異なる点は

優良ファンド・銘柄を変える人数に制限がない

ということです。

仮に1000件のうち、10件しか優良ファンド・銘柄がなかったとしても、10人しか買えないわけではありません。

1000人全員が、10件の優良ファンド・銘柄を手に入れることができるのです。

 

つまり

優良ファンド・銘柄を変えるキャパシティは無制限

ということです。

 

株式投資の場合、優良ファンド・銘柄を見つけ出すことさえできれば、資産家でなくても問題ありませんし、特別な人脈が無くても問題ありません。

スマホやパソコンでネット証券の口座を開設すれば、誰にでも買うことができるのです。

しかも長期投資前提で言えば、模範解答とも言える優良インデックスファンドは誰にでも調べることができます。

すでに答えもわかっているような状態ということです。

資産形成のために買うべき資産
資産形成のために買うべき資産確実に資産形成をする再現性のある方法は、手数料の安い優良インデックスファンドへの長期積み立て投資です。世界経済の成長に賭けるということです。証券会社はネット証券一択です。窓口には絶対に近づいてはいけません。...

 

このように、誰もが優良商品を手に入れられて、プラスサムゲームとして成立するのが株式投資なのです。

まさに投資初心者には、うってつけです。

 

不動産投資は労力がかかる

不動産投資が投資初心者に向かないもう一つの理由として

不動産投資は、かなり労力がかかり大変

ということがあります。

 

まず最初は優良物件は回ってきませんから、とにかくたくさんの物件を見て回って、掘り出し物を見つけなくてはなりません。

よくあるパターンとしては

ボロボロの一軒家を安く買って、自分でリフォームして貸し出す

というものです。

これだけでも相当の労力がかかりますが、これで終わりではありません。

 

・入居者探し

・退去時の修繕など

・設備のトラブル対応

・住民同士のトラブル対応

・苦情への対応

・家賃支払いの管理

・修理やメンテナンス

などなどやることはたくさんあります。

これらを不動産会社に丸投げすることもできますが、それは軌道に乗ってある程度資金的な余裕もできてからになるでしょう。

 

株式投資の配当金などは完全な不労所得ですが、不動産投資は不労所得とは言い難いのです。

専業で投資をするのであれば別でしょうが、本業をしながら投資をするのであれば相当の負担になってしまいかねません。

 

パソコンやスマホでクリックするだけで買える株式投資と比べると、相当の労力と時間を費やさなくてはいけないのが不動産投資なのです。

 

まとめ

・投資初心者には、不動産投資よりも株式投資がベター

・不動産投資は、優良物件を手に入れられる人は限られている

・株式投資は、優良ファンド・銘柄を誰でも手に入れられる

・不動産投資は、相当の労力と時間がかかり、不労所得とは言えない

・株式投資は、スマホがあれば可能で、不労所得と言える

かといって、不動産が投資対象として悪いわけではありません。

むしろ、優良物件を手に入れた時の利回りの高さや安定したキャッシュフローという面で言えば、株式投資よりも高いリターンを得られる可能性も高いです。

そして何よりも、不動産投資は銀行からの借り入れを利用するため、レバレッジをきかせ保有資金の数倍の資金を動かすことができます。

その意味でも、不動産投資の利回りは非常に魅力的です。

 

しかし、いかんせんリスクも難易度も高いのです。

確かな知識と経験、そして人脈などが非常に重要になります。

そして時間と労力も必要です。

不動産投資は、いわば不動産事業を行うということです。

 

そのようなことを考えると、不動産投資は中~上級者向けの投資だと言えます。

投資初心者には、ちょっとハードルが高いというわけです。

 

不動産投資を否定しているわけではありませんが、自分が投資中級者以上になってからにした方が無難です。

身の丈に合った投資をすることを忘れないようにしましょう。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。