今回は、「子どもから話を引き出す方法」についてです。
結論としては
子どもに質問をするときは、出来るだけ具体的に質問するべき
となります。
子どもとの会話において
親「今日、学校どうだった?」
子「わかんなーい。」
親「今日どんなことしたの?」
子「わすれたー。」
というような、会話になっていなやり取りをした経験がある人は多いのではないでしょうか。
このようなやりとりに対して
子どもが全然話してくれない
というように感じているかもしれませんが、多くの場合は親の聞き方に問題があります。
何も子どもは悪気があって、このような答え方をしているわけではありません。
ただ単に、何について聞かれているのかが、わからないのです。
つまり、何をどう答えたらいいのか、わかっていないのです。
質問の仕方が抽象的すぎる
ということです。
抽象的だと伝わらないのであれば、子どもが答えやすくするためには逆をすればいいのです。
質問を具体的にする
ということですね。
何について聞きたいのかを明確にして、具体的な質問をするのです。
このことは、子どもに対しての質問に限った話ではありません。
家族間や友人同士、そして仕事も含めた大人同士での会話でも、全く同様のことが言えます。
質問に対して、しっかりとした答えがほしければ
何について答えてほしいか、明確にする
ということが必要不可欠です。
当たり前のことなのですが、なかなかこれが難しく、大人は質問の内容を明確にしていないことが非常に多いのです。
それでは、なぜ大人は質問の内容を明確にできないことが多いのか、そして具体的に質問するとはどのようなことなのかについて説明していきます。
行間を読んでいる

大人は会話をする中で、無意識に行っていることがあります。
それは
行間を読む
ということです。
行間を読むとは
明確に言葉にはしていないけれど、相手の意図をくみ取る
ということです。
逆に言えば、大人は会話をしている中で
相手が行間を読んでくれることを無意識のうちに想定して話をしている
とも言えます。
個人差はあれど、お互いに行間を読むことを前提として会話をしているわけです。
例えば、絨毯の上にチョコレートがこぼれていて絨毯が汚れてしまっていたとします。
奥さんがそれを見つけて、チョコレートをこぼした犯人であろう旦那さんに
「何これ??(# ゚Д゚)」
と言ったとしましょう。
すると旦那さんは行間を読んで
「こんなところにチョコが落ちてるんだけど、お前が落としたんだよな!?なんで片づけてないわけ??カーペット汚れてるし。さっさと掃除してきれいにしろ!!汚れ取れなかったら新しいの買えよ!!」
という意味だと、即座に理解しますよね。
そして
「す、す、すみません!!」
と言って、チョコを片付けて必死にカーペットをふくわけです。
このように「行間を読む」というのは「空気を読む」に近いものがあり、人によってレベルの差はあれど、大人にとっては必須スキルです。
しかし子どもは、この「行間を読む」というスキルうをまだ持っていないか、持っていたとしても大人程ではありません。
これは、経験がものを言うスキルなので、子どもにはちょっと厳しいのです。
ですから、先ほどの例の話であれば
「何これ??(# ゚Д゚)」
に対して
「チョコだよ」
となってしまうわけです。
どう見てもチョコじゃん、なんでわかんないの?と思っているかもしれませんね。
子どもは言われた言葉が全てですから、しっかりと具体的に言わなければ伝わらないのです。
ですから
「ここにチョコレートが落ちてて、絨毯が汚れちゃってるんだけど、チョコレートこぼした?こぼしたのなら、ちゃんと片付けてきれいに絨毯を拭いてもらえないかな?」
のように明確に言葉にしてあげましょう。
要するに
・大人は、行間を読むことを前提として会話をしている
・子どもは、行間を読むことは難しい
・大人が子どもに話す時は、行間を読むという前提を外す必要がある
ということですね。
相手に丸投げしている

また、質問を明確にできないのには、もう1つ理由があります
それは
質問している本人が、質問の意図を理解していない
と言う場合です。
質問をしている人自身が、質問をしておきながら、何について聞きたいかわかっていないのです。
このような場合は、相手に質問の内容すら丸投げしてしまっています。
ちょっとわかりにくいと思いますので、例を出して説明します。
例えば旦那さんが仕事から帰ってきたときに、奥さんが
「お帰り。今日はどうだった?」
と聞くのは典型的と言えます。
仮に前日に旦那さんが話したプレゼンテーションのことを行間に含んで聞いているような場合は、お互い理解しているでしょう。
共通認識のテーマがありますからね。
そのような場合では、この会話は成立します。
「行間を読む」と言うスキルのなせる業です。
しかし、そのような共通認識がない場合の「今日どうだった?」は相手に丸投げしているだけです。
聞かれた旦那さんとしては
・どうだった?って何についてだ?
・何を聞きたいのかわからない。
・今日の仕事も普段と大差ないし、話すことなんてないな。
・そもそも仕事の内容話したところで、理解できないだろうしな。
となり、「面倒くさいな。」となるわけです。
すると
「別に。普通だよ。」
という答えになりがちです。
このような答えに
「適当にあしらわないで、ちゃんと答えて欲しい!!」
というのは、被害者面しているだけです。
この場合は、奥さんの聞き方が悪いのは明らかです。
質問している奥さんも相手の仕事のことが分からないため、何について聞けば良いのかわかっていないわけです。
だからこそ、漠然とした質問にすることで、話題づくりを相手に押し付けてしまっているのです。
つまり
自分で話題づくりをするのを放棄して、相手に丸投げして押し付けている
ということに他なりません。
これは基本的に、質問する側としては良くない方法です。
仮に仕事だったら、「考えてから来いよ!!」となってしまうこと確実です。
仕事じゃなくても、質問された側はかなりの確率で苦痛を感じます。
子どもに対しての
「今日、学校どうだった?」
も全く同じです。
質問の仕方が、もはや会話の基本すら抑えられていないのです。
具体的に質問する

具体的に質問をすれば、答える側は何について話せばいいのか、明確になります。
そうすれば答えやすくなります。
つまり、具体的に質問をするということの本質は
相手が答えやすいように、的を絞った質問をする
ということになります。
相手への気遣いをするわけですね。
「今日どうだった?」ではなく
・「今日の体育の授業何をやったの?」
・「今日の会議のプレゼン、うまくできた?」
などです。
しかし、そのような質問はある程度の前情報が必要です。
体育があることだったり、会議でプレゼンをするということを知らなければできません。
そのような前情報がない場合には
・「今日の中で、一番楽しかったことって何だった?」
・「今日の中で、一番つまらなかったことって何だった?」
・「今日の仕事で、普段は無いようなことって何かあった?」
というような聞き方も、1つの方法です。
答えるべきことが、「一番楽しかったこと」「一番つまらなかったこと」「普段はないこと」というように、明確です。
そしてそれらが何なのか考えることによって、その日を頭の中で振り返る作業を行います。
そうすると、話すことが出てきたりしやすいものです。
まとめ

・子どもに質問するときは、具体的に質問をする。
・大人は行間を読むが、子どもは基本的に行間を読めない。
・聞きたいことを自分で理解せずに質問するのは、押し付けていること。
会話において大切なことは、大人も子供も基本的には同じです。
自分が質問される立場だと想定してみたら、どのように質問したら良いのか見えてくると思います。
相手のことを考えて、興味を持ちやすく、答えやすい質問にしてあげることが大切です。
結局のところ、相手が大人でも子供でも大切なことは
相手の立場にたって、思いやること
ということですね。
全てのことに通ずることですよね。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。