今回は、子どもとの約束に対して、親が意識するべきことについての話です。
結論としては
・子どもとの約束は絶対に守るべき
・子どもが約束を守れるようになるかどうかは、親次第
です。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、ここで言う約束は「プラスの約束」だけでなく、「マイナスの約束」も含みます。
プラスの約束とは
「今度、〇〇に連れて行ってあげるよ。」
「頑張ったら、□□を買ってあげるね。」
などのような約束を指します。
それに対して、マイナスの約束とは
「宿題終わらなければ、いつも見てるアニメ見せないよ。」
「ちゃんと片付けられてないおもちゃは、捨てるからね。」
などの類のものです。
恐らく多くの大人は、プラスの約束を守ることは重要だと認識していて、守るように意識していると思います。
それに対して、マイナスの約束に対してはどうでしょうか。
そもそも守るべきだという認識を持っている人は、少ないのではないでしょうか。
もちろん、プラスの約束を守ることは、とても大切です。
しかし、それと同等かそれ以上に、マイナスの約束を守ることも重要なことなのです。
妥協することは約束を破ること

・親が子どもとの約束を守れば、子どもも約束を守れるようになり易い
・親が子どもとの約束を守らなければ、子どもも守らなくなり易い
このことは、感覚的にも理解できると思います。
また、親が約束を守らなければ、子どもは親のことを信用できなくなってしまうかもしれません。
そうなれば、子どもは家にいても安心感を持てなくなってしまいますよね。
親が子どもとの約束を守らないことは、何一つ良いことがないのは明白ですよね。
そのようなことを理解して、プラスの約束を守る努力をしている親は多いのですが、マイナスの約束に関しては、約束とすら認識していない親も多いと思います。
マイナスの約束に関しては、平気で破ってしまっているのではないでしょうか。
例えば
7時までに宿題終わらせないと、テレビ見せないから
という約束をしたとします。
しかし子どもがダラダラして、残念ながら7時までに宿題が終わらないことなどは、よくありますよね。
宿題が終わっていない以上、テレビを見せないことが、約束を守るということです。
当然ながら、親は約束通りテレビを見せるべきではありません。
しかしテレビを見せないと言われた子どもが、癇癪を起こしたり泣きわめいたりした場合、妥協してしまうことがあるのではないでしょうか。
「わかったから・・・・」
「じゃあ、次からちゃんとやるんだよ・・・」
などと言いながら、妥協してテレビを見せてしまうこともありますよね。
妥協をしてしまう気持ちはわかりますが、残念ながらこの妥協は、明確に約束を破っていることになります。
勘違いしてしまう人が多いのですが、ここで約束を破っているのは、子どもではなく親です。
しかも、その約束は親が自分でしたものです。
つまり、この場合に親が行っていることは、「自分でした約束を自分で破っている」ということに他なりません。
親が約束を破ることで、子どもは
「結局、最後は許してくれてテレビ見せてくれる」
「お母(父)さんの言うことは、あまり気にしなくても大丈夫」
と感じるようになるわけですね。
結果に責任を果たすのが親の役目

マイナスの約束に対して親が行うべきことは
・結果に対して、「約束を守る」という責任を果たす
・過程に対しては、子どもに任せる
ということです。

親が約束をした以上、その約束を実行するという責任を親が果たすべきなのは、当たり前のことです。
むしろ、それが全てと言っても良いです。
そして過程については、親ではなく子どものテリトリーになります。
子どもがどのように考えて判断して行動するかは、子ども次第になります。
子どもの思考・判断・行動の結果を、親が約束を実行するという形で、約束が果たされるわけです。
このような約束の実行が繰り返されていくことで、子どもの思考力や判断力や実行力が養われていきます。
しかし、子どものテリトリーである過程に対して、親が口や手を出してしまうことが多いのではないでしょうか。
それが非常に良くないのです。
親がした約束を守るために、親自身が色々とやってしまうわけです。
子どもからしたら、約束なんてあってないようなものです。
過程に口や手を出すのであれば、最初から約束などしない方が、はるかにマシです。
出来ないことは約束しない

何かしらの目先の目的を達成するために、約束を破ってしまうのは、大局的に見てマイナスでしかありません。
・宿題をやらせる
・片づけをさせる
・ご飯を食べさせる
など、様々な目的はあるでしょうが、約束をした時点で約束を守ることを優先しなくてはなりません。
そうでなければ、自主性や自立心を損なったり、自分で考えて行動しなくなってしまいかねません。
また、親が約束を守らなければ、子どもも約束を守らなくなっていくでしょう。
さらには、親への信用も損なってしまうかもしれません。
そうなってしまえば、本末転倒ですよね。
ですから
・約束をしたら、必ず守る
・守れない約束はしない
ということが重要です。
守れないなら約束するべきではないのです。
当たり前ですよね。
例えば、次の日仕事なのに、「明日遊園地へ行こう」というような守れない約束はしませんよね。
守れるか守れないかわからないような約束も、気軽にすることもないですよね。
それなのに、ここまで説明してきたマイナスの約束に関しては、守る気が無くても平気で約束をしてしまいがちです。
プラスのものでもマイナスのものでも、約束は約束です。
守れない約束など、するべきではないのです。
まとめ

・親は子どもとの約束を絶対に守るべき
・親はマイナスの約束は、簡単に破りがち
・約束を実行するというのは、親の責任でもある
・守れないのであれば、約束をするべきではない
マイナスの約束をして、子どもが思うように行動してくれないと
「子どもが約束を守らない・・・」
と感じる親が多いようです。
しかし実際には、子どもが約束を守っていないわけではなく、親の思い通りに子どもが動かないというだけです。
約束を守っていないのは、親の方なのです。
最初はしんどいかもしれませんが、淡々と約束を守ってみると、状況は好転すると思います。
但し、この方法がベストかどうかは、人によるのも理解しておかなくてはなりません。
あくまでも選択肢の一つです。
約束をせずに、最初から子どもに寄り添って一緒に行動する方法もあります。
約束をしたのであれば必ず守るべきですが、最初から約束をしないで物事を進めていくのも一つの方法なのです。
子育てや教育に、唯一無二の正解などありません。
親も子どもも、自分で考えて試行錯誤していくことが重要です。
上手くいかないことは当たり前なのです。
しかし上手くいかなかったとしても、約束を破ることはしないようにしてください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。