健康・医療

1日3食は食べ過ぎ

1日3食は食べ過ぎ

今回は、1日の食事の回数についてです。

 

結論としては

・1日3食は食べ過ぎ

・食べない時間を作ることが健康には重要

となります。

 

1日3食の規則正しい食生活が大切

このような言葉を、多くの人は子供の頃から耳にタコができるほど言われたでしょうし、一般的な常識として世の中に認識されていますよね。

しかし、実はこの常識は間違いであることが分かっています。

 

1日3食は身体に良くない

ということが、最新の研究で分かっているのです。

 

そもそも「1日3食が良い」ということに、科学的なエビデンスは存在しません。

1日3食は、ほとんどの人が強度の高い肉体労働をしていた江戸時代に始まったとされています。

単にその時の名残として、現代に引き継がれているにすぎません。

言い伝えみたいなものです。

 

当然ながら、昔と現在では労働環境や移動手段などは全く異なります。

現在は昔と比べて、消費エネルギーが全然少ないのです。

それなのに、「1日3回食事をする」をいうことをあたかも絶対的に正しい習慣かのように、大切に守っているわけです。

 

実際には1日3食は食べ過ぎで、様々な弊害が出てしまうことが分かっています。

ではなぜ1日3食が体に悪いのか、そしてどのような食生活が良いのかを説明していきます。

 

人間の身体は1日3食にデザインされていない

そもそも、1日3食は人間の身体に合っていません。

1日3食が始まったのは、日本では江戸時代の中期頃と言われています。

1日3食になってから、まだ200年~300年しか経っていないのです。

人類の歴史から見れば、まさに一瞬です。

 

人類が狩猟採集で食料を調達していた「旧石器時代」は約260万年前に始まり、1万年前に農耕・牧畜が始まるまで続きました。

そしてファーストフードなどの加工食品が普及しだしたのは、わずか100年前です。

旧石器時代は260万年前から1万年前まで続いた図

人類の歴史においては、大半を旧石器時代が占めているのです。

 

そして人間の身体は、最近のライフスタイルではなく旧石器時代のライフスタイルに適応されるようにデザインされているだろうと言われています。

つまり人間の体は現代の1日3食や加工食品を食べるのに適したDNAではなく、旧石器時代のような食生活に適したDNAだということです。

 

生物のDNAは、ゆっくりと時間をかけて変化(進化)していきます。

ここ最近の文明の進歩は目覚ましいものがあり、食生活の変化も凄まじいものがあります。

(特に糖質に関しては、食文化を根底から変えたと言っても過言ではありません。)

しかし、人間の身体のDNAはそんなに劇的に変化することはできないのです。

 

1日3食の弊害

多くの人が当たり前の常識と考えている1日3食による弊害として

・食べ過ぎになりやすく、肥満になりやすい

・胃腸などの内臓が疲弊する

・オートファジーが起こらない

ということが挙げられます。

それぞれ説明していきます。

 

肥満になりやすい

1日3食が正しい習慣だと考えている人は

1日3回規則正しく食べていて、間食もしていないから食べ過ぎじゃない!!

と思うかもしれませんが、それが既に間違いです。

1日3食の時点で「食べ過ぎ」の可能性が高いのです。

 

1日3食が始まった江戸時代は、ほとんどの人が肉体労働をしていました。

そしてハイカロリーな加工食品はありませんでした。

それに比べて現代はどうでしょうか。

 

デスクワークが主で、ハイカロリーなものだらけですよね。

 

昔と比べて現在は

同じ食事量だとしても、はるかに摂取カロリーは多い

消費エネルギーは、圧倒的に少ない

という状況です。

つまり、摂取したエネルギーを消費しきれていないわけです。

それが続けば、当然ながら中性脂肪がつき肥満になっていきます。

ぱっと見は太っていない人でも、身体の中は内臓脂肪でぎっしりなんてこともよくあります。

隠れ肥満というやつです。

 

肥満は百害あって一利なしです。

様々な病気になるリスクは上がり、ケガする可能性も高まります。

肥満の人はそうでない人に比べて、収入が少ないというデータすら存在します。

肥満こそが現代病の中心であり、最も避けなくてはならないものなのです。

 

つまり、子どもやアスリートや肉体労働者のように消費エネルギーが非常に大きい人を除けば、1日3食によって肥満という最悪の状態になる可能性が高いのです。

 

胃腸などの内臓が疲弊する

1日3食でも量や内容に気を遣っているから、食べ過ぎじゃない!!

と思う人もいるかもしれませんが、1日3食の弊害は肥満だけではありません。

 

摂取カロリーなどをコントロールしていたとしても、1日3食だと胃腸などの内臓を疲弊させてしまうのです。

食事をすると内臓は消化活動を始めますが、この消化活動は10時間以上かけて行われます。

1日3回食べるということは、消化が終わっていないのにまた次の食べ物が消化器官に送られるということです。

つまり、消化器官は休む間もなく働き続けていることになります。

 

休む間もなく働き続けた内臓は当然疲弊し、消化能力は低下します。

ずっと無理をして働き続ければ、疲れてしまうのは内臓も同じです。

すると栄養を吸収しにくくなるので、免疫力も低下してしまいます。

その結果、感染症やアレルギーや生活習慣病などの病気をはじめ、様々な病気にかかりやすくなってしまうのです。

1日3食食べると胃腸が疲弊して消化・吸収能力が落ちて病気などになりやすくなる図。

 

オートファジーが起こらない

1日3食の弊害の極めつけが、オートファジーが起こらないことです。

 

オートファジーを簡単に言うと

「老化した細胞を新しく生まれ変わらせる」という体内で起こる反応

です。

細胞レベルでの若返りと言えるものです。

オートファジーによって免疫力も上がり様々な病気を予防することができるだけでなく、アンチエイジングにも非常に大きな効果があります。

オートファジーの研究は、2016年のノーベル生理学・医学賞を受賞して、現在世界中の注目を集めています。

 

但し、オートファジーはいつでも起こっているというわけではありません。

オートファジーは、細胞が飢餓状態になった時に作用が活性化するという特徴があります。

食べ物を得られなくても生き延びるために、人間に備わっている防衛反応というわけです。

 

具体的には、最後に物を食べてから16時間ほど経たないとオートファジーは活性化しないと言われています。

1日3食だと、16時間はまず空きませんよね。

オートファジーの効果を発揮するためには、1日1食か2食ということになるわけです。

 

正しい食事の回数

これまでは身体に良い食事は、「何を食べるか」ということについて考えることが主でした。

もちろん「何を食べるか」ということは重要ですが、オートファジーの研究が進んだこともあり、現在は「どれだけ食べない時間を作るか」ということが最重要とされています。

ファスティング(断食)が健康に重要だということは、様々な研究によって証明されていますしね。

 

オートファジーのことも考えると、できれば食事と食事の間に16時間空けることが最良ということになります。

16時間空ければ、内臓を休めるのも十分ですしね。

 

16時間と聞くと、とても無理そうに思えるかもしれませんが、そんなに難しい話でもありません。

睡眠時間を利用することで、かなりハードルは下がります。

16時間食べない時間配分図

一例ですがこのように、「睡眠時間8時間+その前後に4時間ずつ」を取ることで、16時間の食べない時間を作ることができます。

そうすれば朝食を抜くだけでいいわけです。

 

しかも空腹が厳しいようなら

・ナッツ

・ヨーグルト

・チーズ

・生野菜

などであれば、食べても大丈夫だそうです。

 

最初は空腹を感じるでしょうが、慣れてしまえば割と問題ありません。

もちろん個人差はあるでしょうが、そもそも自分の身体を1日3食に慣らしてしまっているだけですから、1日2食などを続ければ習慣になっていきます。

 

また、毎日が無理なようであれば週1~2回でも、かなり効果が期待できると言われています。

食べない時間を作ることで健康と若さを手に入れることができますし、食費も浮かせることができます。

良いことづくめです。

 

まとめ

・1日3食はオーバーカロリーになり、肥満の原因

・1日3食は内臓を疲弊させて、免疫力が低下する

・食事の間を16時間空けることで、オートファジーが起こる

・1日1食か2食が適切

現代の食事は、糖質に溢れています。

糖質の弊害については他の記事で書きますが、糖質をたっぷり1日3回以上摂取していれば、病気にならない方が不思議なくらいです。

 

何よりも問題なのが、ほとんどの人が自分の食事に問題があることを理解していないことです。

生活習慣病が加速度的に増えていることを見れば、現代の食に問題があることは明らかです。

 

現代人は、とにかく食べ過ぎ(特に糖質)なのです。

食べる量や食べる回数を減らすことで、健康は身近なものになります。

 

世の中の常識は間違っていることだらけです。

正しい知識を得て、自分で考えて行動しましょう。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。