今回は、「名医」についてです。
結論としては
・雑誌などに載っている「名医」はお金を払って載っている
・本当の名医は、身体の自然治癒力を大切にする医者
です。
よく雑誌などで、『特集!!名医100人』みたいなのがありますよね。
そのような雑誌を見て、医者選びをしている人も多いのではないでしょうか。
自分が診てもらう医者は、できるだけ腕の良い医者であってほしいと思うのは、心情的には当然ですよね。
しかし、雑誌などの『名医特集』などを参考にするのは、実は危険でもあります。
本当の名医でない可能性があります。
むしろ、名医でない可能性の方が高いかもしれません。
全てとは言いませんが、多くの場合において、その「名医」という称号はお金で買っているものに過ぎません。
それでは、「名医」というものの実態について、説明していきます。
お金を払えば誰でも「名医」になれる

多くの雑誌の『名医特集』などに載っている名医やテレビに出演している名医は、どのように選ばれているか知っていますか?
全てとは言いませんが、基本的には
・掲載されるためにお金を支払っている医師
・事実に反していたとしても、メディアの求めることを発信する医師
が選ばれています。
雑誌の名医特集などは、僕も声をかけられたことがあります。
声をかけてきた出版社の人たちと僕は知り合いでも何でもありませんし、僕の歯科医師としての力量を彼らが知る由もありません。
何も知らないのに、「名医になりませんか?」という提案をしてくるわけです。
彼らは、本当に名医を探しているわけではなく、ビジネスとして成り立ちそうな医者を探しているだけなのです。
ですから、彼らには医者の力量も人間性も興味はありません。
興味があるのは
・いくらお金を払えるか
・自分たちにとって利益になることを発信できるか
ということです。
ちなみに、『名医特集』のような雑誌に掲載されるための費用は
・1/4ページ 30~40万程度
・1/2ページ 40~60万程度
・1ページ 100万程度
・2ページ 150~200万程度
くらいが目安です。
もちろん雑誌によって違いますが、相場はこんなところだと思います。
中々の金額と思うかもしれませんが、はやっている医院であれば問題なく出せる金額です。
お金を出せば出すほど、名医っぽく大きく取り上げられるというわけです。
別に、宣伝すること自体を否定しているわけではありません。
宣伝にお金を払うのは、個人の自由です。
しかし、お金をたくさん払った医者が「名医」とされるのは、間違っていますよね。
それが通るなら
名医 = 宣伝にお金をたくさん払う医者のこと
となってしまいます。
これ、詐欺にならないんですかね?
メディアの顧客はスポンサー

言ってみれば『名医特集』というようなものは、名医でもない医者を名医と嘘をついているわけです。
そして、このようなことは『名医特集』のようなものに限らず、様々なところで行われています。
そして、多くの人は騙され続けています。
メディアなどが金儲けをするために、嘘を信じ込まされていい様にやられているわけです。
騙されないようにするためには、メディアなどが誰の方向を向いているかということを理解する必要があります。
メディアが情報を発信するのは、もちろん視聴者のためではありません。
メディアの顧客は視聴者ではないのです。
メディアの顧客は、スポンサー
です。
スポンサーのために、メディアは情報を発信しているのです。
このようなことは、お金の出所を考えるとわかります。

メディアは、スポンサーが利益になるように宣伝をします。
スポンサーは、宣伝をしてもらう見返りとして、メディアにお金を払います。
Win-Winの関係になるわけです。
この関係の中には、視聴者の入る余地は存在しません。
視聴者はメディアから流された情報の正誤を判断できないため、真実の情報を流そうが虚偽の情報を流そうが、何も関係がないのです。
少なくとも、メディアはそう判断しているわけです。
ですからこのような状況を変えるには、視聴者が情報の真偽をしっかり判断できるようになるしかありません。
思考停止でメディアの情報に踊らされ続けているうちは、メディアが心を入れ替えて真実を報道してくれるなんてことは、絶対にあり得ないのです。
本当の名医とは

では、本当の名医を探すのはどうすれば良いかと言えば、簡単に探せるものでもありません。
まず前提として、残念ながら本当の名医は非常に少数です。
そのため、メディアなどの表舞台に出てくることが少ないです。
仮に本当の名医が表舞台に出てきても、あっという間に表舞台から引きずり降ろされてしまいます。
なぜなら、メディアにとって都合の良いことを言わないからです。
では、本当の名医である条件は何かと言えば、絶対必要条件は
人間の身体の自己治癒力を最優先に考え、医療の力を過信していないこと
です。
多くの医者が勘違いしていますが、病気やケガなどを治しているのは医者ではありません。
自分自身の身体の自然治癒力が、病気やケガを治しています。
医者などの医療従事者は、ほんの少しその手助けをしているにすぎません。
例えば、高齢になって免疫力などの自然治癒力を失ってしまった人は、どんな医療を施しても回復しません。
当たり前のことですよね。
名医は、そのことをしっかり理解して、自分たちの力を過信していません。
自然治癒力を高めるために最も大切なことは、医療を受けることではなく日々の生活習慣だとわかっています。
薬や処置などは、必要最低限にしてくれるのが名医です。
逆にニセ名医は、自分の腕などを誇示したがる傾向があります。
画期的な治療法や革新的な薬などと、医療の力をアピールするわけですね。
自分たちがあたかも患者を救っているかのような言いようです。
そして、そのような医者をメディアは名医として取り上げるわけです。
愚の骨頂ですね。
まとめ

・雑誌の「名医特集」などは、金を払えば誰でも名医になれる
・メディアは視聴者の利益ではなく、スポンサーの利益を考えている
・本当の名医は、自然治癒力こそ最高の医療だと理解している医者
風邪をひいて病院に行ったとしましょう。
本当の名医なら
風邪なので、薬はいらない。
水分摂って、あたたかくして良く寝ること。
と言って、患者を帰します。
色々と薬を処方したりする医者こそが、ヤブ医者です。
世の中には玉石混交の情報が溢れています。
正しい情報を掴むためには、一人一人が学んで賢くなって考えなくてはなりません。
思考停止でメディアの情報を鵜呑みにしていると、ひたすら騙されるだけです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。