今回は、仕事におけるスキルについてです。
結論は
・仕事などのスキルは、限定して少なくする方が良い
・スキルを限定することで、結果的に成長も早くなる
となります。
このことは、新たに仕事を始めた人にとって、特に重要なことです。
また、仕事に限らず勉強などに関しても同じことが言えます。
仕事や勉強などをする上で、覚えたり習得しなくてはならないことは多々ありますよね。
色々やらなくてはならないことがありすぎて
どれもが、できるようにならない
となることが少なからずあります。
その原因の1つが
同時に色々なことに手を出している
ということなのです。
様々なことに同時に手を出すよりも、可能な限り仕事などをシンプル化して、ターゲットを絞った方が成果が出やすいです。
このことは、マルチタスクとシングルタスクの関係と同じことです。
マルチタスクとシングルタスクについて科学的にわかっていることとして
・人間の脳は、マルチタスクをこなすことが出来ない
・マルチタスクで仕事をするよりも、1つずつシングルタスクで行った方が生産性が高い
・マルチタスクをしていると思っている人は、シングルタスクを連続して切り替えているだけ
・切り替える時に集中力が切れるため、効率を下げているだけ
ということがあります。
そして仕事や勉強において、同時に様々なことを習得しようとすることなどは、マルチタスク同様に非生産的・非効率的です。
スキルはたくさん持っていた方が良い気がしますが、むしろ限定した方が生産性や効率や成長速度は上がります。
それでは、スキルを少なくして限定するとはどういうことか、そしてそのメリットなどについて説明していきます。
スキルを限定するとは

スキルを限定するというのは、仕事において自分が使えるスキルを極力減らすことです。
もう少しかみ砕いて説明します。
以下の例を考えてみてください。
自分が与えられた仕事に対してのアプローチとして、A・B・Cの3つの方法があるとします。
どの方法にもメリットとデメリットがありますが、やり方次第ではどの方法でも仕事を完遂できなくはありません。
実際に、上司や先輩は、A・B・Cの方法を案件との相性によって使いわけて成果を上げています。
このような状況の場合、どのように考えますか?
多くの人は、A・B・Cのどれも習得してうまく使い分けることで、成果を上げようとします。
しかし、そのような全ての方法を習得しようとするやり方は、むしろ遠回りになってしまうことがほとんどです。
最速で成長できて、長期的にも最も効率的に成果を上げられるようになるのは
1つだけの方法に絞り、そのスキルを徹底的に磨くこと
です。
そして
選ぶべきものは、全ての中で最も基礎的な方法
とするのがベストです。
今回の例で言えば、Aが3つの中で最も基礎的な方法だったとしたら、Aのスキルのみを磨き上げるのです。
そしてBとCに関しては、一旦スルーするのです。
スキルを限定するメリット・デメリット

このようにスキルを限定するメリットとしては
・理解が深くなる
・スキルの向上スピードが速い
・原因を特定しやすい
・やるべきことが明確化される
ということがあります。
デメリットは基本的にありませんが、あえて挙げるとしたら
初期の初期は、成長が遅いように感じられる
ということです。
このデメリットに関しては、少しの間我慢することによって、それが一時的な錯覚だとわかるはずです。
では、メリットをそれぞれ見ていきましょう。
理解が深くなる
1つのスキルのみを使うため、色々なスキルから選んで使うのに比べて、そのスキルへの理解や成熟度は高くなります。
1つを使い続けることによって
・どのようなケースは得意なのか。
・どのようなケースは苦手なのか。
・その方法の限界はどこなのか。
などを高いレベルで理解できるようになっていきます。
1つに打ち込むことで、「極める」という状態に近づきやすくなるということです。
他のスキルと併用で使っていると、うまくいかなそうな場合には他のスキルに移行してしまったりするため、深く理解したり成熟度を高めたりしにくいのです。
スキルの向上スピードが速い
1つのスキルだけをひたすらやっているわけですから、色々な方法を使っている場合に比べて、そのスキルに投じる時間は当然長くなります。
すると、必然的にそのスキルに関しては最速で向上していくことになります。
やってみればわかるのですが、3つのスキルを同時に習得する時間と比べて、1つのスキルのみに集中して習得する時間は1/3以下で済みます。
要するに、1つずつ各個撃破していった方が効率的なのです。
シングルタスクにするのと同じです。
原因を特定しやすい
これが最も大きなメリットです。
失敗は、成長するために必要不可欠なものです。
失敗して経験を積むことによって、成長につなげることが可能になります。

しかし、経験が少ないうちは
・失敗した理由
・次に失敗しないための改善点
などを判断できないことがほとんどです。
失敗した理由が分からなければ改善点もわかりませんから、闇雲に色々試してみるしかありません。
しかし、失敗した理由を特定しやすくする方法があります。
それは
変数を減らす
ということです。
これは全てのことに共通して言えることで、何かを分析して評価するための最善策は、変数を1つにして他の条件を揃えることです。
そうすることで、因果関係を見極めることが可能になります。
1つに出来なかったとしても、変数をできるだけ減らすほど有利になります。
例えば、多くの方法から1つの方法を選んでアプローチして失敗した場合
・自分の技術や能力が足りなかった。
・選ぶべき方法を間違えた。
という2つの可能性が考えられます。
変数が2つ存在するということです。
すると次に同じような仕事をするときも、方法の選択も迷いますし、自分のレベルが足りているかも悩んでしまいます。
そのような状態だと、失敗の原因を捉えられるようになるまでに、非常に時間がかかってしまいます。
それに対して、方法が1つしかなければ
・自分の技術や能力が足りなかった。
という選択肢しかありません。
そうすれば、やるべきことはレベルアップのみです。
そしてレベルアップしていって、失敗が成功に変われば、自分の技術や能力が足りなかったことがわかります。
逆にレベルアップしても、一向に結果に変化がなければ、その方法が適していないことがわかります。
どちらにしても、失敗の原因を捉えることができやすくなるのです。
やるべきことが明確化される
1つのスキルに絞ることは、やるべきことが明確化されるため、メンタルの安定にもつながります。
経験の少ないうちは、色々なことに悩みがちです。
しかしその悩みは、経験が少ないレベルでは答えを出すことが不可能なことがほとんどです。
悩むだけ無駄ということです。
どの方法が良いのか悩んだりしても、それぞれに対する経験値などが少なすぎて、判断することなどできませんからね。
そのようなレベルのうちは、とにかく1つずつレベルを上げていくことが重要ですし、近道です。
スキルが1つしかなければ、悩むこともなくひたすら突き進むしかありませんからね。
1つを極めれば他のことにも応用できる

1つのスキルに絞り、それを徹底的に向上させることで、他のことに対しても応用が利くようになります。
違うスキルだとしても、根っこのところは繋がっていますからね。
スキルを1つ目、2つ目、3つ目といったように一つずつ増やしていくと、習得するまでの時間がどんどん短くなっていきます。
1つずつ集中的に深く習得していくことで、最終的に多くの方法を深く理解できるようになります。
たくさんの方法を同時並行で進めるよりも、1つずつ習得していった方が、はるかに効率的に短い時間で済むのです。
ここで重要なのは、まずは基礎的なスキルから身につけていくことです。
基礎こそすべてです。
逆に言えば、基礎という土台さえできていれば、その後はスムーズに進むことが可能になります。
まとめ

・仕事のスキルをあえて限定することで、成長が加速する。
・長期的に見ても、広く深い理解や技術や能力になりやすい。
いわゆる「急がば回れ」というやつですね。
仕事ができない人ほど、色々なやり方を試したがりますが、基礎力がなければ大成しません。
まずは最も基礎的なものを、焦らず徹底的に鍛えてみてください。
基礎力こそ全てです。
基礎力がない人の仕事は、はっきり言って価値がないレベルにしかなり得ません。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。