今回は、睡眠不足と仕事についてです。
結論としては
・睡眠時間を削って仕事している人は、ただの生産性の低い無能な人
・しっかり睡眠をとることで、人生は好転させられる
です。
睡眠は健康に対して、非常に重要な要素です。
睡眠を十分にとらないと
・免疫力が下がり、病気になりやすくなる。
・肥満になりやすくなる。
など、様々な健康への弊害があることが分かっています。
健康に対して睡眠が大きな影響を及ぼすことは、誰もが感覚的にも理解していることではないでしょうか。
しかし仕事が忙しいビジネスパーソンは、「わかってはいるけど、仕事が忙しくて睡眠不足」という人も多いですよね。
仕事をこなして生産性を上げるために、睡眠時間を削って一生懸命働いているわけです。
仕事の成果を上げるために、多少の健康的デメリットは仕方がない
といったところでしょう。
仕事の成果や生産性のために、健康的デメリットは許容するということですよね。
しかし、これは大きな間違いです。
睡眠時間を削って仕事をすることは、仕事の成果を向上させたり生産性を上げる効果はありません。
むしろ睡眠時間を削って働く人は
生産性が低く、仕事ができない人
でしかありません。
仕事が忙しい優秀なビジネスパーソンからは程遠いのです。
つまり、睡眠時間を削って仕事をしている人は
・仕事の生産性が下がる
・健康的なデメリットがある
というように、ダブルでマイナスなのです。
生産性の高い仕事をするためには、十分な睡眠をとることが必要不可欠です。
健康に対してだけでなく、仕事に対しても睡眠は非常に重要だということです。
では睡眠不足がどのようなことを引き起こすのか、そして睡眠をしっかりとることでどうなるのかを説明していきます。
睡眠不足であらゆる能力が低下する

睡眠不足によって、ありとあらゆる能力が低下することが分かっています。
・創造性
・知性
・やる気
・集中力
・記憶力
・思考力
・効率性
などが、睡眠不足によって著しく低下してしまいます。
つまり睡眠不足によって
生産性は低くなり、問題解決能力が下がってしまう
ということです。
よく睡眠をとっている時と比べて睡眠不足の時は、同じ仕事でもはるかに時間がかかってしまい、成果も出せなくなってしまうのです。
このようなことを証明する研究結果は無数に存在しますが、ここでは2つ紹介します。
1つ目の研究は以下の通りです。
<内容>
ランダムに光が点灯し、それに対応するボタンを押す。
<グループ分け>
① 72時間起きている。
② 毎日4時間ずつ睡眠をとる。
③ 毎日6時間ずつ睡眠をとる。
④ 毎日8時間ずつ睡眠をとる。
全員に8時間睡眠をとってもらった後、この実験はスタートし、②~④に関しては15日間継続する。
①と④が基準となりますね。
②と③がそれに対して、どの程度のパフォーマンスを示すかによって、慢性的な睡眠不足によってどのくらい集中力などの能力が低下したかわかるということです。
結果は以下のようになりました。
<①のグループ>(寝ないグループ)
24時間起きている時点で、④のグループに比べてミスが400%増加。
その後も起きている時間が長くなるほど、ミスは増加し続けた。
<②のグループ>(4時間睡眠のグループ)
6日後・・・24時間起きていた人と同程度のパフォーマンス
11日後・・・48時間起きていた人と同程度のパフォーマンス
<③のグループ>(6時間睡眠のグループ)
10日後・・・24時間起きていた人と同程度のパフォーマンス
徹夜のような睡眠不足だけでなく、慢性的な睡眠不足も劇的な能力の低下を引き起こすのです。
毎日6時間睡眠というのは仕事をしている人であれば決して珍しくないでしょうし、仕事に追われて忙しくしている人であれば4時間睡眠もあり得ますよね。
6時間睡眠であれば、そもそも睡眠不足という意識すらないかもしれませんね。
次に、2つ目の研究です。
<内容>
血中アルコール濃度が0.08%の時と同程度の集中力になるのは、どのくらい寝ていない時か
血中アルコール濃度0.08%というのは、アメリカの法定濃度です。
ちなみに、日本の酒気帯び運転に該当する血中アルコール濃度は、0.03%です。
そう考えると、0.08%は結構アルコールが入っている状態です。
結果は以下のようになりました。
血中アルコール濃度0.08%の人の集中力レベル
=19時間程度、連続で起きていた人の集中力レベル
たった19時間起きていただけで、お酒を飲んでいる状態と変わらないレベルまで集中力が落ちてしまうのです。
この2つの結果を見ると、数日寝不足が続くだけでも、毎日酔っ払って仕事をしているようなものだということですね。
睡眠不足で仕事をするということは、もはやお酒を飲んで仕事をしているようなものなのです。
とても一生懸命仕事をしているとは言い難いですね。
最大の問題は自覚できていないこと

睡眠不足だと、仕事などにおいてもあらゆる能力が低下してしまい生産性が落ちてしまいますが、実は問題はそれだけではありません。
最大の問題は
能力が低下して生産性が落ちていることを自覚できない
ということです。
自分は寝なくても全然大丈夫!!
と言う人ってよくいますよね。
実際には全然大丈夫ではないのです。
睡眠不足によって能力が低下していることを自覚できていないだけなのです。
このことは様々な実験により証明されていますが、その中の1つを紹介します。
<内容>
睡眠不足の人に、自分で行う仕事を選んでもらう。
仕事の種類は、簡単な誰でもできる仕事から難しくてやりがいのある仕事まで様々なものが用意してある。
結果は以下のようになりました。
睡眠不足の人は、ことごとく簡単な仕事を選んだ。
次に同じ人たちに、十分な睡眠をとってもらってから同じ実験をすると、難しい仕事を選ぶ人も多く出てきた。
そして睡眠不足の時に生産性が下がっていて、簡単な仕事を選んでいたことを自覚できていなかった。
つまり睡眠不足によって
・あらゆる能力が低下し、生産性が落ちる。
・生産性が落ちていることを自覚できず、自分では大丈夫だと思っている。
ということになってしまうということです。
自分は寝なくても大丈夫と思っているのは、完全に自意識過剰の勘違いだということです。
睡眠不足の悪循環

睡眠不足は、生産性を低下させることで悪循環を引き起こします。

こんな感じです。
睡眠不足によって、生産性が下がり仕事が終わらなくなります。
その結果、残業などをすることで長時間労働になってしまい、また睡眠時間を削ることで睡眠不足になってしまいます。
まさに負のスパイラルですね。
このように、睡眠不足によって仕事ができない人になってしまい、悪循環にはまり込んでしまうわけです。
しかし、この悪循環から脱却することは、非常に簡単です。
良く寝れば良いのです。
よく寝ることで人生は好転する

このような睡眠不足の弊害を理解すると
× 忙しいから、睡眠不足になっている。
〇 睡眠不足だから、生産性が落ちて忙しくなる。
というように、気づかないうちに因果関係の逆転が起きている可能性が高いことがわかりますね。
睡眠時間を削って仕事をするということは、言い換えれば「お金を稼ぐために睡眠時間を削っている」とも言えます。
しかしある研究によると
睡眠時間をしっかりとった方が、収入は高くなる傾向にある
ということがわかっています。
睡眠をしっかりとらない理由が、もはやありませんよね。
夜はしっかりと睡眠をとるだけでなく、仕事中に眠くなったら少し昼寝をすることも生産性向上に繋がります。
実際にGoogleやNIKEなどの一流企業では、仕事中に眠くなったら昼寝ができる部屋があるのは有名な話ですね。
会社サイドからしても、昼寝の時間などを与えても睡眠をしっかりとって頭がクリアな状態で仕事をした方が、トータルで考えると生産性が高いということです。
まとめ

・睡眠不足になると、あらゆる能力が低下して生産性が落ちる。
・生産性が落ちると仕事に時間がかかり、睡眠時間が減る悪循環。
・睡眠不足で生産性が落ちていることを誰も自覚できない。
・忙しいから睡眠不足でなく、睡眠不足だから生産性が低下し忙しい。
・眠くなったら仕事中でも少し昼寝をした方が生産性は上がる。
・睡眠をしっかりとった方が、収入が高い傾向にある。
免疫力や肥満のことなど健康面を含めても考えても、睡眠不足で良いことは一つもありませんね。
夜はしっかり寝て、昼間も眠くなったら少し仮眠をとるというのがベストです。
ただ、仕事していて昼寝をするのは、なかなか難しいかもしれませんね。
睡眠に対して科学的な理解をしている企業は、まだまだ少ないかもしれません。
特に日本は、根性論が蔓延っているところも多いでしょうね。
ですから、眠くなった時はトイレに逃げ込んで、15分でも寝ると良いです。
短時間の昼寝が生産性を上げてくれるのは、科学的に証明されています。
ただし、15時以降の昼寝は逆効果になってしまします。
夜眠りにくくなって、睡眠の質が落ちてしまうと言われています。
また、昼寝は長すぎると身体に良くないこともわかっていて、30分程度がベストだとされています。
でも一番は夜しっかり8時間くらい寝ることです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。