今回は、テレビなどでよく言われている日本の「財政破綻」についてです。
結論としては
日本が財政破綻することは、あり得ない
です。
さらに言えば
日本に財政問題は存在しない
となります。
テレビでは
日本は借金まみれだから、破産してしまう
というようなことを、コメンテーターやら経済評論家やらが不安を煽っていますよね。
政治家も
日本の財政は厳しいから、増税などをしないと立ち行かない
などと言って、増税などを正当化していますね。
しかし、これらは全て間違いです。
というよりは、嘘です。
日本が財政破綻することはありませんし、そもそも本来は日本に財政問題は存在しません。
日本政府は、これまでずっと間違った対策をひたすらに続けてきました。
そして日本国民は、それを受け入れ続けてきたのです。
実際には何の問題もないのに、自分で自分の首を絞めるような行為をひたすらに続けてきたわけです。
メディアや政治家は、わかっていて自分たちの利益のためにやっているという悪意がありますが、国民は無知のせいです。
思考停止になり、無知なまま同調圧力に流されているわけです。
しかし、正しい知識を得てしっかり論理的に考えれば、自ずと正しい答えが導き出せます。
まずは、知って考えることが必要です。
それでは、財政破綻論とは何なのか、そしてなぜ日本が財政破綻しないのか説明していきます。
財政破綻論とは

まずは、財政破綻論とはどのようなものなのかを説明します。
財政破綻論でいうところの「財政破綻」とは、「デフォルト(債務不履行)」のことを言います。
デフォルトを端的に言えば
借金を返せなくなって、破綻すること
を言います。
個人の家計で「収入<支出」が続き、借金が膨らんで返せなくなってしまえば、破産してしまいますよね。
それと同じことが日本という国単位で起こる、と財政破綻論は言っているのです。
具体的には以下の通りです。
日本の「国の借金」は、1200兆円以上(2021年度)
→国民一人当たり、980万円以上の借金がある
1200兆円という金額は、日本のGDP(約500兆円)の2倍以上になります。
「日本のGDP=日本国民全員の1年間の稼ぎの合計」と考えてください。
つまり、日本国民全員が稼ぐ総額の、2年以上分の借金ですね。
ちなみに国の借金がGDPの2倍以上なのは、世界で日本が唯一で断トツです。
また日本の1年間の税収は、約60兆円です。
税収を全て借金の返済に充てても、20年ほどかかる計算になります。
一度はこのような話を、テレビなどで見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょか。
これらは、確かに概ね事実です。
(一つだけ事実とは言い難いものがありますが、それは後述します。)
このような数字を見ると、財政破綻が心配になる人が多いかもしれませんが、全く問題ありません。
日本は財政破綻しません。
借金の額など、関係ないのです。
日本の財政破綻はあり得ない

借金について考える上で
誰が、誰から、借金をしているのか
ということが重要なのは、当たり前のことですよね。
メディアは借金の額については深刻そうに報道しますが、「誰が誰から」借金をしているのかについては、全く触れようとしません。
そして多くの人は、誰が誰からしている借金なのかを知らずに、財政破綻を心配しているわけです。
おかしな話ですよね。
一体何に対して心配しているのでしょうか。
「借金=悪いこと」という思い込みを、メディアなどに利用されて煽られているのです。
思考停止でしかありません。
1200兆円を超える「国の借金」と言われる借金の実態は
誰が・・・・・日本政府が
誰から・・・・日本銀行をはじめとした日本の金融機関などから
となります。
つまり、政府が銀行(主に日銀)などからしている借金なのです。
政府の借金ですね。
「国の借金」という言い方は、明らかに正しくなく、情報操作と言ってもいいレベルです。
〇 政府の借金が、1200兆円以上ある
× 国の借金が、1200兆円以上ある
です。
政府の借金なので、当然ながら国民が負担する必要など、一切ありません。
国民一人当たり980万円以上の借金
などというのは、全く意味不明の割り算なのです。
政府の借金を、日本の人口で割り算するというのは、何の意味もないことなのです。
政府の借金とは
政府は、毎年度ごとに予算を組んで、国を運営しています。
その予算に対して、国民から集めた税金では足りない場合、「国債」を発行して不足分を埋めます。
国債とは、政府が発行する債券のことです。
つまり、政府は国債を発行(売る)することで、借金をしているということです。
政府にお金を貸す側の立場から見たら、国債を購入することで政府にお金を貸している、と言えるわけです。
国債の大まかな仕組みは、以下のようになります。

満期の期間は、2年・5年・10年・20年・30年など様々です。
政府は半年ごとに利息を国債購入者に払い、満期が来たら元本を満額払い戻します。
この払い戻しのことを、償還と言います。
政府は、このようにして1200兆円以上の借金をしているということです。
そしてデフォルトするということは、この国債の利息や元本を支払えなくなるということを意味します。
日本政府のデフォルトはあり得ない
日本が財政破綻(デフォルト)してしまう、という話になったときに
お金を刷って返せばいいのでは?
と思われた人もいるのではないでしょうか。
実は、それでいいのです。
厳密に言えば「お金を刷る」というのは少し違うのですが、大まかなイメージとしては、そういうことなのです。
当たり前だと思いませんか?
お金を発行することが出来る以上、お金を返せなくなるなんてことあり得ませんよね。
お金を発行して返せばいいのです。
デフォルトしようがありません。
「そんなの錬金術と同じじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、その通りなのです。
日本政府には、無からお金を発行することができる錬金術があるのです。
そもそも、政府を個人の家計と同じように考えてはいけません。
よくテレビで日本の財政を個人の家計に例えて説明している人がいますが、条件が違いすぎて、比べるのは無意味です。
条件をあわせるのであれば、その家計の大黒柱に錬金術がある設定にしなくてはなりませんよね。
シンプルに考えてみてください。
お金を作ることが出来るのに、お金が足りなくなって破産することなんてあり得ませんよね。
もう少し詳しく説明しましょう。
「日本政府のデフォルトはあり得ない」ということを、さらに正確に言うと
自国通貨を発行できる政府が、自国通貨で借金した場合デフォルトはあり得ない
ということになります。
これは、考え方ではなく単なる事実です。
難しく感じるかもしれませんが、一つずついきましょう。
決して難しくありません。
自国通貨とは
・日本だと「円」
・アメリカだと「ドル」
ということですね。
そして政府の借金の方法は、「国債」でしたね。
ですから「自国通貨を発行できる政府が、自国通貨で借金した場合デフォルトはあり得ない」ということは
・「円」を発行できる日本政府が、国債を発行して「円」で借金した場合、デフォルトはあり得ない。
・「ドル」を発行できるアメリカ政府が、国債を発行して「ドル」で借金した場合、デフォルトはあり得ない
ということになります。
日本政府が国債を「円」で発行すると、以下のようになります。

満期になった時の元本の返済(償還)と利息を、政府はもちろん「円」で支払います。
もし仮に支払いのためのお金が足りない場合でも、日銀がお金を発行して政府に供給すれば支払いをすることができますね。
つまり自国通貨建て(日本では円建て)の国債をいくら発行しても、自国通貨(日本では円)を発行できるため、デフォルトすることはないということです。
実際には、日銀が政府にお金を供給する方法は、もう少し複雑です。
そのあたりは、他の記事で説明します。
日銀は政府の子会社
日銀がお金を発行したら、政府が借金を返せるということに対して
日銀と政府は別の組織だからそんなことできない
という人がいますが、それは政府と日銀の関係に対しての、ただの事実誤認です。
日銀の株式の55%を政府が持っています。
つまり、日銀は政府の子会社ということになります。
実際に経済学でも、政府と日銀は「広い意味での政府」として一体として考えます。
これを「統合政府」と言います。
つまり統合政府において、政府と日銀は合わせて一つの存在です。
政府の日銀からの借金は、チャラにしてしまっても何の問題にもならないということです。
言ってみれば、一つの組織の中でのお金の移動でしかありませんからね。
デフォルトの可能性がある場合
日本はデフォルトしようがありませんが、世界にはデフォルトに陥っている国も存在します。
それが、アルゼンチンやギリシャです。
借金の金額自体もGDP比でも、日本の借金が最も巨額で圧倒的です。
日本の借金が最も巨額であるにも拘らず、日本はデフォルトせず、ギリシャやアルゼンチンはデフォルトをしているのです。
日本と、ギリシャやアルゼンチンの違いは
ギリシャやアルゼンチンの発行している国債は、自国通貨建てではなく外貨建て
ということです。
わかりやすいように例として、日本が円建てではなく、ドル建てで国債を発行しているとします。
(あり得ないことですが。)
自国通貨建てではなく、外貨建てということですね。

もし仮に支払いのためのお金が足りない場合でも、足りない分を新たに日銀が発行することはできません。
日銀は「円」は発行できますが、「ドル」は発行できないからです。
支払うための「ドル」を確保するためには、貿易などで利益を出して「ドル」を獲得しなくてはならないのです。
そのように「ドル」を獲得することができず、「ドル」が足りずに支払いができなくなってしまうと、デフォルトになります。
つまり、ギリシャやアルゼンチンのデフォルトは、国債が自国通貨建てではなく外貨建てだったために起こったことなのです。
ギリシャはユーロ圏内ですから、通貨である「ユーロ」はギリシャでは発行できません。
アルゼンチンの国債はドル建てであるため、アルゼンチンでは発行できません。
これが、日本と決定的に違う点なのです。
それなのに、メディアに出ているコメンテーターや経済評論家やらは
「ギリシャやアルゼンチンのように、日本も今に財政破綻する」
「借金は日本の方が多いのだから、日本も財政破綻するのが当たり前だ」
などと、意味不明なことを言っているのです。
デフォルトするかどうかは、借金の額の大きさの問題の前に、自国通貨建てか外貨建てかによって大きく異なります。
日本とギリシャやアルゼンチンでは、条件が全く違い過ぎので、比べること自体が何の意味もないのです。
結局のところ
デフォルトは、外貨建て借金の時にのみ起こり得ることで、自国通貨建ての借金では起こり得ない
ということです。
デフォルトしないことを政府や財務省は知っている
財政破綻が危ないから、増税などしなくてはならない
と政府や財務省は言っていますが、実は日本がデフォルトすることがあり得ないことを、政府や財務省は知っています。
2002年にMoody’s、S&P、Fitchといった格付け会社が、日本の国債を格下げしました。
理由は国の借金が多額で、長期のデフレであることです。
要は、日本の信用を下げるよ、ってことです。
その時に財務省が公式にそれらの3つの格付け会社に出した意見書があります。
それが
日・米などの先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。
デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。
(財務省意見書、財務省HPより抜粋)
これは今でも、財務省のHPから見ることができます。
財務省自ら公式に、「自国通貨建ての国債でデフォルトすることはあり得ない」と認めているのです。
おかしいですよね・・・・・
財務省は財政破綻するぞ、と言い続けています。
つまり財務省は日本がデフォルトすることはあり得ないと理解しながら、デフォルトの危険を主張することで不安を煽り、消費税増税などを進めてきたのです。
もはや詐欺ですね・・・・
財政破綻を煽る連中の主張

財政破綻を煽る人たちの目指しているものを端的に言うと
緊縮財政によるプライマリーバランスの黒字化
です。
緊縮財政とは、公共事業などの政府支出の削減や増税などをすることです。
プライマリーバランスとは、政府の収支のことです。
要するに、政府の赤字状態を改善しようってことです。
そのために財政破綻論をでっちあげ、政府支出の削減や増税を正当化しているわけです。
しかし日本政府がデフォルトしないことは単なる事実ですから、財政破綻論者でもその事実を突きつけられたらデフォルトしないことは認めざるを得ません。
そんな時に、決まって繰り出す反論が
・お金を発行し続けると、ハイパーインフレになる
・今は民間に潤沢な預金があって国債の買い手になっているが、それが尽きてしまえば国債の買い手がいなくなるし、金利が上がってしまう
といったようなものです。
これらの反論に関しては、全く問題ありません。
ハイパーインフレにはならないし、国債の買い手がいなくなることもありません。
但しこのことを理解するためには、「お金とは何か」ということをさらに知る必要がありますので、次回から説明していきます。
まとめ

・日本が財政破綻(デフォルト)することは、あり得ない
・自国通貨建て国債のデフォルトは、あり得ない
・デフォルトがあり得るのは、外貨建ての借金の時のみ
・政府や財務省は、日本がデフォルトしないことを知っている
日本は借金大国だと思っている人は多いようですが、全くの事実誤認です。
日本は、世界最大の対外純資産国です。(+350兆円以上)
借金大国とは、正反対です。
要するに
日本という国としては、プラス350兆円以上
日本政府は、マイナス1200兆円以上
ということです。
このように見ると、多額の借金をしている日本政府が大問題だと思われるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
実は政府が借金をすることは、国民の資産が増えることに繋がります。
そのあたりについても、今後の記事で説明します。
「借金は悪いもの」「政府がお金を使うから国民が貧しくなる」などと言うのは、完全に間違った思い込みです。
このような根拠のない間違った常識は捨てましょう。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。