今回は、投資とギャンブルについてです。
結論から言うと
投資とギャンブルは、似ても似つかないもの
です。
投資とギャンブルは、ありとあらゆる面で、大きく違います。
同じなのは、リターン(利益)を求める行為だということだけです。
未だに「投資はギャンブルだから、手を出してはいけない」という人がいますが、それは完全に間違いです。
そのような間違った常識を振りかざす人は、根本的に投資とは何なのか、ということを理解していないのでしょうね。
「投資=ギャンブル」というのは、投資を理解せずに投資をギャンブルのようにしてしまった人たちの、偏見に満ちた常識でしかないのです。
まずは常識を疑いましょう。
様々な常識をそのまま何となく受け入れるのではなく、まずは疑い学んで考えて、そして自分で判断しましょう。
現在は、いくらでも情報や知識は手に入ります。
自分で学んで考えるチャンスは、目の前に転がっているのです。
自分次第です。
逆に言えば、間違った常識にとらわれているのは、自己責任とも言えます。
それでは、投資とは何なのか、そして投資とギャンブルの違いについて説明していきます。
投資とは

まずは、そもそも投資とは何なのかということを理解する必要があります。
投資と聞くと、一般的には株式投資などが思い浮かぶかもしれませんが、実際のところ投資には様々なものがあります。
・株式投資
・不動産投資
・自己投資
・人材投資
・設備投資
・技術投資
・公共投資
など、ざっと挙げてもかなりありますね。
どれも最終的にはリターン(利益)を求めるものですが、これらに共通していることを考えると、投資の本質が見えてきます。
これらに共通していることは
・運ではなく、成長によるリターンを得ようとする
・現在ではなく、将来的にリターンを得ようとする
ということです。
つまり、投資とは
成長により、将来的なリターンを得ようとする行為
ということになのです。
大切なことは、「成長」と「将来」です。
これが、「運」と「現在」に近づいていくほど、投資ではなくギャンブルになっていってしまいます。
投資は、成長により将来リターンを得るためのものですから、短期的に大きなリターンを得ることはできません。
時間をかけて成長させて、将来に収穫するようなイメージですね。
投資とギャンブルの違い

では、投資とギャンブルの違いについて、具体的に見ていきましょう。
投資とギャンブルの間に、中間的な存在として投機というものがあります。
投資・投機・ギャンブルの、それぞれの特徴は以下の通りです。

それぞれの要素を見ていきましょう。
期間
投資は、将来的なリターンを目指すものですから、必然的に中~長期になります。
投資対象にもよりますが、投資は基本的に数年以上だと考えてください。
株式投資などにおける長期投資は、15年~20年以上を一つの目安とすると良いと思います。
投資は、時間をかけてリターンを育てていくもの
です。
それに対して、投機やギャンブルは、短期的にリターンを目指すものです。
短いものであれば、数秒単位のものまであります。
いわゆる「一攫千金」というやつですね。
運要素・リスクコントロール
投資は長期的に行うことによって、運によるブレを小さくできるため、リスクをコントロールすることが可能です。
投資にとって、リスクコントロールこそが、最も重要なことになります。
ギャンブルに関しては、大半が運によって決まるため、リスクをコントロールすることはほぼ不可能です。
そもそもギャンブルは、偶然性のある事象に対して賭けるものなので、運によって決まってしまうのは当たり前ですね。
投機は、投資とギャンブルの中間で、ある程度まではリスクコントロールが可能です。
しかし豊富な経験や知識などが無いとリスクコントロールできませんから、「中・上級者であれば」という前提がつきます。
つまり初心者にとっては、投機はギャンブルと何も変わらないわけです。
トータル
トータルというのは、参加者全員の収支のトータルという意味です。
このトータルの違いこそが、投資とギャンブルを見分けるために、最もわかりやすい決定的な違いです。
「プラスサムゲーム」「ゼロサムゲーム」「マイナスサムゲーム」は
・プラスサムゲーム
参加者全員の収支を合計するとプラス
・ゼロサムゲーム
参加者全員の収支を合計するとゼロ
・マイナスサムゲーム
参加者全員の収支を合計するとマイナス
となります。
ちなみにサムとは、「合計」という意味です。
それぞれ見ていきましょう。
プラスサムゲーム(投資)
プラスサムゲームのイメージです。

プラスサムゲームは、トータルがプラスになるだけでなく、参加者全員がそれぞれプラスになることも十分あり得ます。
例えば株式への長期投資で考えれば、投資家同士で資金を奪い合うわけではなく、経済の成長の恩恵を参加者全員が受け取ることが可能です。
その結果、全員が勝ちの状態になり得るのです。
もちろん投資対象は厳選する必要がありますし、短期的には全員がマイナスになることもあり得ます。
しかし、世界の経済は過去から現在まで、右肩上がりに成長してきています。
そして現在から未来についても、成長することが考えられます。
ですから、長期投資は経済成長の恩恵を、参加者全員が受けられると考えられるわけです。
ゼロサムゲーム(投機)
ゼロサムゲームのイメージです。

ゼロサムゲームは、参加者同士の奪い合いです。
デイトレードのような短期投資が、これにあたります。
利益を得た人がいる反面、損をした人もいるのがゼロサムゲームです。
当然ですが、ゼロサムゲームにおいては、初心者は上級者などのカモにされて終わりです。
短期投資で、初心者が勝てないのも当たり前なのです。
また、短期投資は手数料を考えれば、ゼロサムではなくマイナスサムと言えなくもないですね。
マイナスサムゲーム(ギャンブル)
マイナスサムゲームのイメージです。

マイナスサムゲームは、始まった瞬間にトータルがマイナスになることが決定しています。
マイナスサムゲームの特徴は、まず最初に胴元(運営者)が取り分を持っていくことです。
胴元の取り分を引いた残りを、参加者で取り合うわけですから、当然トータルはマイナスになります。
しかも、勝つか負けるかを決めるのは、偶然性の事象によります。
つまり、「運」です。
たまたま勝つ人もいるかもしれませんが、トータルするとマイナスになるわけです。
言い方を変えれば、長期的に続ければ、原則誰でもマイナスになることが予想されるものだということですね。
参考までに、馴染みのあるギャンブルの還元率は以下の通りです。
(※還元率とは、胴元の取り分を引いた参加者側の取り分の割合のことです。)
パチンコ・パチスロ 80~85%
競馬・競輪・競艇 70~80%
宝くじ 46%
宝くじに至っては、半分以上を胴元に持っていかれるわけです。
どう考えても、割に合わないですよね。
このようにギャンブルは、成長の恩恵を受けようとする投資とは似ても似つかないのです。
再現性
再現性も、投資とギャンブルの決定的な違いです。
投資を合理的な方法で行えば、基本的には誰もが同じ結果を得ることができます。
再現性があるということですね。
それに対して、ギャンブルは「偶然性のある事象」を対象にするので、当然ながら再現性は存在しません。
パチンコで大勝ちした人の真似をしても、同じように大勝ちできるわけではありませんよね。
勝てるかどうかは、結局運次第です。
目的と手段を一致させる

投資とギャンブルの違いを理解したうえで、大切なことは
目的と手段を一致させる
ということです。
ざっくり言えば
投資・・・・・・時間をかけて着実に、資産を築く
ギャンブル・・・大きなリスクを取って、短期間で一攫千金を狙う
と言えますよね。
例えば、老後のための資金を作りたいときには、投資が向いています。
老後資金を作るために、ギャンブルにお金を突っ込んでいたら、それは「目的と手段が不一致」なわけです。
逆に、1年で資産を数十倍にすることを目指しているのであれば、投資では不可能です。
投機やギャンブルを行うことが、「目的と手段の一致」ということになりますよね。
投資・投機・ギャンブルどれも、手段の一つでしかありません。
どれが優れているかではなく、どの手段が自分の目的を達成するために適しているかを考える必要があります。
つまり
各々の手段の特徴を理解し、目的に合った手段を選択する
ということが、重要なのです。
まとめ

・投資は、成長により将来的なリターンを得ようとする行為
・投資は中~長期、ギャンブルは短期
・投資はリスクコントロールできるが、ギャンブルはできない
・投資はプラスサム、ギャンブルはマイナスサム
・投資は再現性あり、ギャンブルはない
・目的と手段を一致させることが重要
世の中の常識は、一方的な結論を押し付けたがります。
・投資はギャンブルだから、危ない
・ギャンブルには、絶対に手を出しちゃいけない
・地道に貯金することが大切
こんな感じですね。
これらは、全て何の根拠もありません。
人によっては正解になり得るでしょうが、万人にとって正解というわけではありません。
盲目的にこのような常識を信じるのではなく、まずは疑って、自分の頭で考えましょう。
投資やギャンブルで言えば、それぞれの特性やメリット・デメリットをしっかり理解し、自分の目的に合う手段を採用すればいいだけのことです。
結果がどうなるかはわかりませんが、大切なのは自分の頭で考えて、自分で判断して行動するということなのです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。