今回は、日々の診療で感じることについて書こうと思います。
要点としては
情報に振り回されて、基本が疎かになっている人が多い
ということについてです。
体の健康というのは、誰かに与えられるものではなく、自分自身で得て守るものです。
自分の身体に対して関心を持ち、医者などに言われるがままになるのではなく、自分で調べて考えることが重要です。
そしてそれは、口腔内の健康についても同じことが言えます。
新型コロナ茶番をきっかけに、以前よりも自分の体は自分で守らないと意識をする人が増えたようにに感じます。
来院される患者さんの中にも、歯科治療などについて色々と自分で調べて考えて、要望を出してくる方が確実に増えました。
自分の体に関心を持ち、自分で情報を得て医療側に要求するというのは、非常に喜ばしいことですし大切なことです。
しかし残念なことに、そのような方々のほとんどが、本末転倒なことになってしまっているのです。
様々な情報に手を出して、それを盲信したり行き過ぎた考え方になってしまい、一番大切なことを疎かにしてしまっています。
「歯を出来るだけ削りたくない」
「銀歯は体に悪いから外したい」
「フッ素はリスクがあるから使いたくない」
「化学物質は毒だから使わないようにしたい」
などなど、ネットなどで調べたであろう知識を基に、様々な思いを伝えてこられます。
もちろんそれらのことを否定する気もありませんし、事実である部分も多々あります。
自分で考えて結論を出すことも素晴らしいことです。
ところが、非常に残念なことなのですが、そのように要望をしてくる方々のほとんどが
全くと言っていいほど、歯磨きが出来ていない
という現実があります。
もちろん全員というわけではありませんが体感的には9割以上の人が全く磨けておらず、そのような要望をしてこない人よりも、磨けていない割合は圧倒的に高いように感じます。
はっきり言ってしまえば、どのようなことに気を付けたとしても、歯磨きが出来ていなければ、口腔内の健康を維持することなどできません。
歯科領域で言えば、最も重要なことは歯磨きです。
せっかく色々調べて考えても、歯磨きが出来ていなければ口腔内の健康は失うことが確定的です。
このようなことになってしまうのは、情報化社会や新型コロナ茶番の弊害の一つと捉えられるとも思います。
過多な情報に振り回されている

新型コロナ茶番において、メディアも政府も専門家も正しいとは限らないということを痛感した人は多いでしょう。
実際には新型コロナ茶番に始まったことではなく、これまでもメディア・政府・専門家などの発信する情報は、嘘と言っていいようなものが大量に溢れていました。
それでも新型コロナ茶番は、今までと比べてもあまりに明らかで稚拙な嘘が大量に溢れていましたから、多くの人が疑問を持つきっかけになったようです。
(新型コロナですら何も疑問に持てない人は、正直この先も思考停止なことは確定なのでしょう。)
疑問を持った人たちは、テレビや新聞や専門家の言うことを疑い否定的に捉え(もしくは見ない)、自分で情報を探して得るようになります。
現代はSNSなどを始めとしてインターネットで情報を得ることが出来ますから、YouTubeやTwitterやインスタグラムなどで多くの人が情報を得ています。
もちろん、情報を自分で探して得に行くことは素晴らしい事なのですが、そこには大きな問題もあります。
主な問題は
・情報の精度
・情報の受け取り方
の2つです。
一つ目の情報の制度ですが、SNSなどインターネット上の情報は、まさに玉石混交です。
というよりは、大半は正しいとは言い難いような情報と言ってもいいと思います。
膨大な誤情報の中に、わずかな正しい情報が埋もれているような状態です。
正しい情報を見分けて得るためには、情報の取捨選択をする力が必要不可欠です。
そして情報を取捨選択するためには、情報を見分けるための知識だけでなく、様々に絡み合った複雑な情報を論理的に整理して考えられる能力も必要です。
非常に難しいのです。
さらには、敢えて「正しい情報」と言いましたが、実際には100%正しい情報はありません。
どのような物事も、完全なシロも完全なクロもなく、どれもグレーでその濃さが違うだけです。
見る角度を変えれば、「正しさ」という不確実な概念は、あっという間に変化します。
つまり、「正しい情報」を得るのは非常に困難ですし、そもそも「正しい」ということ自体が不確定な要素なのです。
次に、情報の受け取り方についてです。
人は無意識に自分の考えに合う情報を好んで集め、逆の情報に対しては反証を集めて整合性をとろうとします。
いわゆる確証バイアスです。
世の中に疑問を持ち自分で情報を集めている人は、この確証バイアスがより強いように感じます。
これはある意味必然的なようにも思います。
新型コロナを茶番だと考え、メディアからの情報や世の中の常識を疑うような人は、かなりの少数派です。
少数派の人たちが自分たちの主張をする場合、多数派の意見を徹底的に排除して自分たちの意見の正当性を強く主張しなければ、声がかき消されてしまいかねません。
全否定されそうですしね。
ですから自己防衛に近い感覚で、情報を取捨選択してしまうのではないかと思います。
その結果、視野は狭くなりますし、自分の考えに沿う情報に対しては過信する傾向にあります。
言ってみれば、情報に振り回されているのです。
中立的に物事を判断できなくなっている状態とも言えるかもしれません。
軸を持つことが重要

そのような状態になると、自分が好む情報を手当たり次第に得て、それを主張するように感じます。
その弊害として、本当に大切な基本を見失っていると思うのです。
歯磨きの件などは、その典型例とも言えます。
様々な玉石混交の健康情報を手に入れ、それを大切にし過ぎているのではないでしょうか。
手に入れている情報の取捨選択の基準は、いわゆる現代医学や科学に対して否定的なものが多い傾向です。
もちろん、現代の医学や科学で間違っていることも多々ありますし、そもそも科学的な根拠なく利権的に行われていることもたくさんあるのも事実でしょう。
しかし、全ての物事には完全なシロもクロもありません。
メリットもあればデメリットもあることが、ほとんどです。
盲信や過信は禁物なのです。
そんな中、おそらくはメリットしかないであろうなものも、わずかですが存在します。
例えば
・食べ過ぎない
・適度な運動をする
・良質な睡眠をとる
などです。
これらのことが健康に対してプラスであることに、現時点で異を唱える人はまずいないでしょう。
そして、科学や経験による知恵は万能ではないとはいえ、これらのことは限りなく真実に近いと思われます。
そして、これらと同等レベルで真実に近いであろうものが
しっかり歯を磨く
ということです。
これらに共通していることは
基本的なこと
ということです。
要するに何が言いたいかというと
情報に振り回されず、基本を大切にするべき
ということです。
既存の情報を疑い、SNSなどで様々な情報を集めている人ほど、このことが疎かになっているように感じます。
食べ物にしても治療にしても、全てにおいて100点満点を取ることは不可能です。
細かい事(どこから細かいと捉えるかは、人それぞれでしょうが)ばかり追いかけて神経質になるよりも、基本的なことをまず大切にするべきだと思います。
基本はしっかり押さえ、その上で出来ることは少しずつ取り入れていくスタンスがお勧めです。
まとめ

・意識高い系の人ほど、情報に振り回されて視野が狭い傾向がある
・そのような人たちは、確証バイアスが強い傾向がある
・全てのことには、完全なシロも完全なクロもない
・基本的なことを大切にするべき
少数派の人たちは、どうしても他責思考が強くなりがちなので、まずは足元を見ることが重要だと思います。
とは言え、歯磨きが全くできていない健康意識の高い人たちは、歯磨き指導をするとしっかり頑張って磨くようになってくれることがほとんどでもあります。
情報が多すぎて、自分でも何が大切なのか見失ってしまっているだけなのかもしれないですね。
とりあえず、口腔内の健康に最も重要なのは、歯磨きです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。