今回は、「良い睡眠のための方法」についてです。
睡眠不足は、様々な弊害があることをこれまでに説明してきました。
心身ともに健康を維持して、仕事などの生産性を上げるためにも、良い睡眠は必要不可欠です。
生活の中で、8時間程度の十分な睡眠時間を確保することがまず必要ですが、その時間をいかに効率的に良質な睡眠にするかも重要です。
そこで、今回は良い睡眠のための方法を12個説明します。
12個すべてを行うのは難しくても、出来そうなものを数個からでもやってみると、今までより良い睡眠をとれるようになるはずです。
良い睡眠のための12の方法は以下の通りです。
・いつも同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
・アルコールを控える
・カフェイン、ニコチンを控える
・寝る前にたくさん飲食しない
・寝る前に運動をしない
・可能な限り、睡眠薬なども含めた薬を飲まない
・昼寝は15時までに30分程度にする
・寝る前にリラックスする
・寝る前にお風呂に入る
・寝室を暗く、涼しくする
・日中に太陽の光を浴びる
・眠れない時には、ずっと布団にいない
それでは、ひとつずつ説明していきます。
いつも同じ時間に寝て同じ時間に起きる

12の方法の中で、最も大切なのがこれです。
毎日同じ睡眠リズムで生活する
ということは、良質な睡眠のためには最も重要なことなのです。
どれか1つだけ実践するのであれば、最優先でこれを取り入れてください。
睡眠パターンが、概日リズムとズレると、人はなかなか適応できません。
休日に寝だめをしても、失った睡眠は取り戻せませんから、毎日適切な睡眠をコンスタントにとることが大切なのです。
実際に、パイロットやキャビンアテンダントなどの睡眠パターンがコロコロ変わる職業の人達を調査すると
・脳の学習や記憶に関する部位が小さくなっていた。
・短期記憶が著しく低下していた。
・がんやⅡ型糖尿病などのリスクが、平均よりも高くなっていた。
ということがわかっています。
平日も休日も、いつも同じ規則正しい睡眠リズムを維持することが、何よりも大切なのです。
アルコールを控える

アルコールは
・睡眠を断続的にする
・レム睡眠を奪う
という作用があり、睡眠の質を下げてしまいます。
アルコールを飲むとよく眠れると思っている人が多いですが、完全な間違いです。
アルコールは正常な睡眠ではなく、脳を麻酔したような状態にしてしまうのです。

アルコールは飲まないのがベストですが、飲むのであれば少量にして寝る前は避けるようにしましょう。
カフェイン・ニコチンを控える

カフェインは刺激剤で、睡眠圧を司るアデノシンの受容体を占拠して、眠気を覚まします。
カフェインの半減期は5~7時間ですから、就寝時間に近い時間に飲むと睡眠を阻害してしまいます。
カフェインは、コーヒーだけでなく、お茶やコーラやチョコレートにも含まれています。
午後はできるだけカフェインの接種を控えるようにしましょう。
また、ニコチンもカフェイン同様に刺激剤のため、睡眠を阻害してしまいます。
実際に、喫煙者は眠りが浅いことが多いと言われています。
タバコは睡眠だけでなく、様々な害もありますから、喫煙しないに越したことはありません。
寝る前にたくさん飲食しない

寝る前にたくさん食べてしまうと、消化・吸収のために胃腸が活動的になります。
その状態では、脳や身体は休まることはなく、睡眠も浅いものになってしまいます。
少なくとも、寝る2時間くらい前までには、食べるのを終わらせておきましょう。
また、飲み物もたくさん寝る前に飲んでしまうと、夜中に起きて何度もトイレに行く羽目になってしまいます。
特に高齢者は、抗利尿ホルモン分泌の低下などにより尿意で起きることが増えますから、水分の摂り過ぎには注意が必要です。
寝る前に運動をしない

適度な運動は健康に対して、間違いなく必要です。
日中などに運動して、身体に疲れを感じさせておくことで、眠りやすくもなります。
しかし寝る直前に運動してしまうと、交感神経優位になって眠りにくくなってしまいます。
運動は、寝る2~3時間前くらいまでにしておきましょう。
可能な限り薬は飲まない

薬には、睡眠を妨げる成分が入っているものも多々あります。
眠りにくい時には、医師などに相談してみてください。
睡眠薬に関しては、基本的には飲むべきではありません。
睡眠薬は、眠りの導入を10分程度早める効果しかないだけでなく、眠りの質を低下させてしまうことがわかっています。
そもそも日本人は薬大好き民族なので、とにかく薬に頼る傾向があります。
そして医師も、不必要に薬を処方します。
インフルエンザの薬のタミフルは、世界の人口の2%にも満たない日本人が、全世界のタミフルの75%を消費していたという事実もあります。
薬は基本的には毒ですから、飲むのは本当に必要な時のみにするべきです。
昼寝は15時まで30分程度にする

昼寝は睡眠不足解消に役立ち、健康や仕事の生産性などの様々なメリットがあるのでお勧めです。
GoogleやNikeなどののように、昼寝のための部屋を社員のために設ける企業もあります。
また、人間の自然な睡眠は昼寝を含めて1日に2回寝る2相睡眠です。
昼寝をする方が、自然なのです。
ただし、昼寝は30分程度にして、15時以降はやめましょう。
長時間の昼寝は、逆に健康リスクになるというデータがあります。
また、15時以降に昼寝をしてしまうと、アデノシンが溜まりきらず、睡眠圧が不足して夜の睡眠に支障が出てしまいます。

寝る前にリラックスする

寝る直前まで、忙しくしないようにしましょう。
寝る前には、読書したり音楽を聴いたりするような、リラックスできる習慣をつけると良いです。
寝る直前まで忙しく仕事をしていたりすると、交感神経が活発になって、眠りにくくなってしまいます。
寝る前にお風呂に入る

お風呂から出ると、身体から放熱されるため、中核温度が下がります。
睡眠ホルモンと言われるメラトニンが分泌するためには、暗くなるだけでなく中核温度が下がることが必要です。
そのため、中核温度が下がることによって、自然に眠くなりやすくなるのです。
また、お風呂にゆっくり浸かること自体が、リラックス効果があります。
熱めのお湯ではなく、38~39℃くらいのぬるめのお湯に20分程度浸かるのが理想です。
寝室を暗く涼しくする

メラトニンの分泌には、暗いことと涼しいことが必要です。
電気はシャットアウトして、室温は18.3℃程度にするのが好ましいです。
寝る時だけでなく、寝る前1時間くらいは、部屋を暗めの明かりにした方が良いですね。
また、スマホやパソコンなども寝室から排除した方がベターです。
日中に太陽の光を浴びる

太陽の光は、体内時計を調整するために重要です。
太陽の光を浴びないと、体内時計を調節できずに、24時間周期とズレていってしまいます。
また、太陽の光には他にも様々な効果があります。
太陽の光を浴びることでビタミンDが体内で生成されますし、ストレス軽減による精神安定にもつながります。
日中に30分は、日光を浴びましょう。
晴れた日は、散歩して太陽を浴びたりすると、運動にもなって最高です。
眠れない時はずっと布団にいない

20分以上布団に入っていても、寝つけないようであれば、布団を出てリラックスできることを行いましょう。
ずっと布団にいても、イライラしたり不安になったりして、逆に眠りにくくなってしまいます。
まとめ

良い睡眠のための12の方法は以下の通り。
・いつも同じ時間に寝て、同じ時間に起きる(最重要)
・アルコールを控える
・カフェイン、ニコチンを控える
・寝る前にたくさん飲食しない
・寝る前に運動をしない
・可能な限り、睡眠薬なども含めた薬を飲まない
・昼寝は15時までに30分程度にする
・寝る前にリラックスする
・寝る前にお風呂に入る
・寝室を暗く、涼しくする
・日中に太陽の光を浴びる
・眠れない時には、ずっと布団にいない
まずは、毎日同じ時間に起きて、同じ時間に寝ることを心掛けてみてください。
余裕があれば、他の方法も少しずつ取り入れてください。
睡眠時間と年収は、比例関係にあるというデータもあり、成功していたりする人で睡眠を疎かにしている人はあまりいません。
睡眠は、能力値の向上・健康・精神的安定など、様々なことに繋がります。
出来るだけたくさん寝るようにしてみてください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。