今回は、「遺伝子組み換え食品」についてです。
結論としては
・遺伝子組み換え食品自体の安全性は、まだ不明
・日本は、世界最大の遺伝子組み換え食品消費国
・遺伝子組み換え食品とセットの農薬は、人体に害がある可能性が高い
・日本の食の安全保障が壊されている
です。
1996年にアメリカで遺伝子組み換え(GM)作物の栽培が始まって以来、遺伝子組み換え作物の栽培は年々増えています。
世界での遺伝子組み換え作物の栽培面積は、1996年は170万ha(ヘクタール)だったのが、2019年には1億9000万haを超えています。
20年ちょっとで110倍以上になっているのです。
ヘクタール(ha)
100m × 100m の面積のこと。
2019年の各国の遺伝子組み換え作物栽培面積トップ10は、以下の通りです。
国名 | 栽培面積(万ha) | |
1 | アメリカ | 7150 |
2 | ブラジル | 5280 |
3 | アルゼンチン | 2400 |
4 | カナダ | 1250 |
5 | インド | 1190 |
6 | パラグアイ | 410 |
7 | 中国 | 320 |
8 | 南アフリカ | 270 |
9 | パキスタン | 250 |
10 | ボリビア | 140 |
アメリカが4割近くを占めていて、大半が北米・南米だということがわかります。
日本はどうかというと、遺伝子組み換え作物の栽培は法的には認められていますが、観賞用のバラ(青いバラ)を除き商業的には栽培されていません。
研究開発のための試験栽培のみが行われています。
しかし
日本は、世界最大の遺伝子組み換え食品消費国
と言われています。
また、国として承認している遺伝子組み換え作物の数も、日本は世界一です。
つまり
日本は、遺伝子組み換え作物を栽培はしていないが、栽培国から世界一輸入しまくっている
ということです。
私たち日本人は、知らず知らずのうちに世界で最も遺伝子組み換え食品を食べているわけです。
そしてこのことは、日本人の健康だけでなく日本の安全保障に対しても、非常に大きな悪影響があります。
それでは遺伝子組み換え食品について、そして悪影響などについて説明していきます。
遺伝子組み換え食品とは

まずは、「遺伝子組み換え」とは何なのかについて説明します。
遺伝子組み換えとは
植物などに、他の生物の遺伝子を組み込むこと
を言います。
それによって
違う生物の遺伝子を組み込まれた植物などは、新たな性質を持つ
ということになります。
例えば、トウモロコシに対して除草剤に強い性質を持たせたいとします。
雑草を駆除するために除草剤を蒔いても、トウモロコシまで枯れないためにです。
そのような時、遺伝子組み換えを行います。
除草剤に耐性を持った微生物などの遺伝子を取り出し、トウモロコシの遺伝子を一部分切断したところに、それを組み込みます。
それによって、うまくいけば除草剤に耐性を持ったトウモロコシができるわけです。
これまでは農作物などに新たな性質を持たせたい場合は、何世代も交配を行い性質が現れるのを待つ品種改良が行われてきました。
品種改良は言ってみれば一か八かであり、時間も非常にかかるのですが、遺伝子組み換えだと圧倒的に効率が上がるわけです。
遺伝子組み換えのメリット・デメリット

遺伝子組み換えのメリットとデメリットは、以下の通りです。
メリット
・品種改良に比べ、新たな性質を持たせる時間を大幅に短縮できる
・収穫量が増える
病気に強い遺伝子や、良く育つ遺伝子を入れることで、収穫量を増やすことが出来ます。
今後、世界で起こるかもしれない食糧危機などに対する対抗策になるかもしれません。
デメリット
・健康被害の可能性が否定できない
・在来種が絶滅する可能性がある
人体に対する影響については、様々な研究が行われています。
それらによると、遺伝子組み換え食品によってがんのリスクが高まる可能性があることや、生殖機能の低下の危険性が指摘されています。
ただし、これらの研究は色々な欠陥もあったり信憑性に乏しかったりするものが多いとも言われています。
ですが、逆に遺伝子組み換え食品が安全だという証拠もありません。
問題が無いことを証明するのは、不可能に近い悪魔の証明ですから、もっと時間が経つ必要があります。
結局のところ
遺伝子組み換え食品が健康に害があるかは不明
ということです。
次に、遺伝子組み換えのもう一つのデメリットとして、生態系を壊して在来種を絶滅させてしまう可能性があります。
植物は、蜂を媒介したり風によって花粉が飛ぶことなどによって交配が行われます。
つまり、自然に交配が起こり、人間が完全にコントロールすることが出来ません。
そのため、遺伝子組み換え作物が知らず知らずのうちに広がってしまい、在来種が絶滅する可能性があるのです。
実際に、メキシコでは遺伝子組み換えのトウモロコシを栽培していませんが、輸入している遺伝子組み換えトウモロコシによって在来種が絶滅寸前になっています。
もし将来的に遺伝子組み換え作物に弊害が見つかったとしても、在来種が絶滅してしまっていては、元に戻すことが出来ないのです。
このように、遺伝子組み換えにはメリットもありますが、まだまだリスクもある状態なのです。
遺伝子組み換えという技術自体を客観的に評価するには、まだ時間が必要です。
遺伝子組み換え × グリホサート

遺伝子組み換えの技術自体は賛否両論あって、まだ結論が出ていないものとも言えます。
人によって意見が分かれるところですね。
しかし、現在流通している遺伝子組み換え作物は、有害な可能性があります。
これは、遺伝子組み換え作物に使われているモンサント社の「ラウンドアップ」という農薬が関係しています。
ラウンドアップというのは、有機リン酸化合物であるグリホサートという成分が主の除草剤で、グリホサートはあのベトナム戦争で使われた枯葉剤と同じ成分です。
グリホサートには
・発がん性
・神経毒性
・生殖機能の低下
・胎児や子どものIQ低下
といった危険性が指摘されています。
そして、ラウンドアップと遺伝子組み換え作物の関係として
遺伝子組み換え作物には、ラウンドアップが大量に散布されている
という事実があります。
現在流通している遺伝子組み換え作物は、グリホサートへの耐性を遺伝子組み換えで付与されています。
そのため、遺伝子組み換え作物にはラウンドアップが必ず使われているのです。
なぜこのようなことになるかと言えば、ラウンドアップを提供しているモンサント社は、実は除草剤と遺伝子組み換え作物の両方を提供する会社なのです。
モンサント社の遺伝子組み換え作物の種の世界シェアは、90%にのぼります。
つまり、モンサント社から遺伝子組み換え作物の種を買うということは、ラウンドアップとセットで買うということなのです。
モンサント社は、種子と除草剤をセットで販売することによって、莫大な利益を得るための仕組みを作り上げたというわけです。
ビジネスという面から見れば、優秀な仕組みですよね。
鉄壁のビジネスモデルです。
モンサントは、2019年にドイツのバイエルに買収されて、バイエルの子会社になっています。
しかし、その鉄壁のビジネスモデルにひびが入りつつあります。
世界各国はグリホサートへの危険性を考慮して、グリホサートの残留基準値を厳しくしていっています。
グリホサートが付着している農作物は、輸入しない
という方向に舵を切っているわけです。
また、モンサント社に対して凄まじい数の訴訟も起こっています。
日本と遺伝子組み換え作物

では、そのような状況で日本はどうかというと
グリホサートの残留基準値を大幅に緩和
ということをやっています。
世界の流れと逆行していますよね。
これは
アメリカから遺伝子組み換え作物を輸入するため
です。
ラウンドアップを使い続けると雑草にも耐性が出てくるため、より大量のラウンドアップを散布したり、ネオニコチノイドなどの他の農薬と混ぜて使ったりしています。
ネオニコチノイド系も、神経毒性があり、有害だと言われています。
すると、残留基準値を厳しくしている他の国はアメリカの遺伝子組み換え作物を買ってくれません。
そこで日本の登場です。
日本がグリホサートやネオニコチノイド基準値を緩和することで、農薬まみれの遺伝子組み換え作物も輸入できるようになるというわけです。
日本の、日本による、アメリカのための政治
ですね。
言わば、日本は廃棄物処理係というわけです。
このようにアメリカのための政治をすることで、日本は世界最大の遺伝子組み換え作物消費国になっているのです。
遺伝子組み換え食品の表示

ただ、いくら輸入したところで遺伝子組み換え食品を買わなければ、食べることはありません。
しかし、ここにもトラップが潜んでいます。
日本が輸入して流通している遺伝子組み換え作物は、以下の8種類です。
・じゃがいも
・大豆
・トウモロコシ
・てんさい
・菜種
・綿実
・アルファルファ
・パパイヤ
この8種類と、これらの加工品33品目(豆腐、納豆、みそなど)については、遺伝子組み換え食品の表示義務があります。
ですから、「遺伝子組み換えでない」と表示されているものを選択することが出来ます。
但し「遺伝子組み換えでない」と表示されていても
・重量が5%未満
・原料の中で重量の順位が4位以下
このどちらかを満たしていれば、「遺伝子組み換えでない」と表示できてしまいます。
あえて作った抜け道としか思えませんね。
しかし、こんなものではありません。
33品目以外の、しょうゆや食用油や甘味料などには、表示義務がありません。
しょうゆやサラダ油などの食用油などは、かなりの高確率で遺伝子組み換えが使われているのにです。
原材料が遺伝子組み換えであっても、高度に精製されている場合は最終的に検出できないからだそうです。
原材料が遺伝子組み換えかどうかを表示すればいいだけのことですよね。
ちなみにEUでは、全ての原材料に対して表示義務があります。
さらには、家畜の飼料のほとんどが輸入に頼っています。
そしてその飼料は、半分以上が遺伝子組み換えですから、肉を食べると間接的に遺伝子組み換え食品を食べていると言えるのです。
そして、スーパーなどで肉を買うときに、飼料が遺伝子組み換えなのかを判断する術はありません。
つまり、私たち日本人は遺伝子組み換え食品に囲まれていて、逃れることが出来ない状況だと言えるわけです。
消費者が何を選ぶかという最後の選択権すら奪われているのです。
2023年4月から、表示方法が改定され、さらに遺伝子組み換えを避けにくくなります。
食の安全保障

遺伝子組み換え食品を大量に消費することで、健康に対する懸念もありますが、それ以上に問題なのが「食の安全保障」です。
日本の食料自給率が低いのは、周知のとおりです。
但し、自給率40%を切っているというのはカロリーベースの計算であり、カロリーベースで計算しているのは日本くらいです。
世界的には生産額ベースが基本であり、実態を示すには生産額ベースが妥当です。
国の安全保障というのは、何も軍事力だけの話ではありません。
エネルギー・食料・医療なども、いかに自給自足に近づくかということは、安全保障上とても重要なことです。
食料の大半を輸入に頼るということは、食の安全保障がない状態であり、外国との関係によっては日本国民は飢えることもあり得るのです。
要は、国として独立状態にないということです。
日本とは関係のない外国の情勢によって食料の価格は変動し、最悪の場合には食糧が入ってこなくなります。
遺伝子組み換え食品を輸入しまくることで、当然ながら日本の農家の状況は厳しくなっていきます。
そうなれば、農家の高齢化が進んでいる中で、さらに日本の農業の担い手がいなくなってしまいます。
日本は、エネルギーも食料も医療も、独立からは程遠い状態です。
例えば、コロナワクチンの是非は置いておいて、なぜ日本人に打つワクチンを日本企業が作らないのですかね。
20兆円かけて外国の企業から買う必要などないのです。
独立から遠のき外国に依存すれば、日本は日本人のものではなくなってしまいます。
そしてそれは、現在着々と進行中です。
食の安全保障のためにも、遺伝子組み換え食品にはノーを突きつけて、日本で自給自足できるように変えていかなくてはならないのです。
まとめ

・遺伝子組み換え食品自体の安全性は、まだ不明
・日本は、世界最大の遺伝子組み換え食品消費国
・モンサント社は遺伝子組み換え作物とラウンドアップをセット販売している
・グリホサートは人体に悪影響がある可能性がある
・日本の食の安全保障が壊されている
遺伝子組み換え作物自体の安全性については、今後時間をかけてわかってくると思います。
技術の進歩というのは、それ自体に問題があるのではなく、使い方に問題があることがほとんどです。
例えば、PCR法というのは非常に画期的で素晴らしい技術革新でした。
しかし、それを新型コロナの確定診断に使ったことで、コロナ茶番が作り上げられてしまったのです。
決してPCRが悪いわけではなく、使い方が悪いのです。
遺伝子組み換え技術も、同じことが言えます。
遺伝子組み換えの是非よりも、それを利用したビジネスの形や政治を正すべきではないでしょうか。
日本は遺伝子組み換えに関しても、いい様に使われているのです。
今回の記事で説明していないこともたくさんあります。
ぜひ調べてみてください。
関心を持って調べて考えることが、絶対に必要なのです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。