今回は、小学生に対する宿題についてです。
結論としては
・小学生に宿題はいらない
・最も大切なのは、学ぶ楽しさを知ってもらうこと
です。
小学生・中学生・高校生に対して、多くの学校では宿題を課しています。
もちろん学力を向上させることが目的でしょうが、実は宿題が学力向上に効果があるのか疑がわしいのです。
ある研究によると、宿題による学力向上の効果について
・小学生 見られなかった。むしろ低下傾向が見られた。
・中学生 わずかしか見られなかった。
・高校生 ある程度向上した。
という結果だったそうです。
この結果から特に小学生への宿題は出さない方が良いとも考えられますが、それ以外のことを考えても、小学生への宿題はデメリットの方が大きいと感じます。
小学生には宿題を出すべきではありません。
もしくは、もし宿題を出されたら小学生をお持ちの家庭は、宿題をやらずに無視した方が良いと思います。
それでは、小学生に宿題はいらない理由について、説明していきます。
小学生に教えるべき最も大切なこと

小学生の間の勉強において、最も重要視しなくてはならないのは、学力の向上ではありません。
学力の向上なんかより、はるかに大切なことがあります。
それは
学ぶことの楽しさを知ってもらうこと
です。
教師にしても親にしても、このことを理解できていない大人が非常に多いです。
そもそも、学ぶことは非常に楽しいことです。
子供だけでなく大人にとっても、学んで新しい知識を得たり、わからなかったことが分かるようになるのは、とても楽しいことのはずです。
学ぶことの楽しさを知らない大人は、学ぶことの楽しさを知る経験をこれまでの人生で出来なかっただけです。
大人になって初めて、学ぶ楽しさを知ったという人も少なくないでしょう。
では、どのようにしたら学ぶことの楽しさを知ることが出来るのかといえば
「わかった!!」「出来るようになった!!」
ということを経験することが重要です。
「なぜ?なんで?」と「わかった!できた!」が学びの根源なのです。
つまり、自分が成長している感覚が重要だということです。
自分が成長している感覚があれば、大人でも子供でも楽しいものです。
そして、学ぶ楽しさを知れば、勉強に対しても当然前向きになります。
楽しいことは自発的に取り組みますよね。
但し、間違ってはいけないのは、「学校の勉強=学び」ということではないということです。
学校の勉強は学びの中の一部でしかありません。
学びには様々なことがありますが、本質は全て同じです。
好奇心を満たすことこそが学びです。
ですから、特に小学生の間は、学ぶことの楽しさを教えることが何よりも重要なのです。
宿題は義務になる

では、どのようにしたら学ぶ楽しさを知れるかと言えば
好きなことや興味があることや得意なことを徹底的にやる
というのが最適です。
好きなことや興味があることや得意なことをやることは
・「わかった」「できた」を多く得られる
・自発的に学ぶことを尊重できやすくなる
というメリットがあります。
例えば学校の勉強でも、「好きな科目」「得意な科目」がある反面、「嫌いな科目」「苦手な科目」もありますよね。
子どもが自発的にやりたがって、学びの楽しさを知ることに繋がるのがどちらなのかは、明らかです。
最も大切な「学びの楽しさを知る」という意味では、「好きな科目」「得意な科目」を中心にやらせた方が良いに決まっているのです。
むしろ、自発的にやろうとするのであれば、そればかりでもいいくらいです。
大人でも自分に当てはめて考えてみれば、明白ですよね。
しかし、「宿題」はそうはいきません。
まず、強制的に与えられるものなので、自発的に取り組むものではありません。
そして、「嫌いな科目」「苦手な科目」であることもあり得ます。
さらに言えば、量が決まっていることも良くありません。
個人差はありますが、どんどん出来るようになっていることを実感できるときは、たくさんやりたくなるものです。
それなのに宿題は、一定の量をやったら「はい、おわり」なわけです。
いわば、学びではなく単なる「作業」です。
子供のやる気を、削いでしまいかねません。
中学生や高校生であれば、苦手だったり嫌いだったりしても、「必要だから」という理由で宿題をやれる人もいるでしょう。
しかし、小学生の特に低学年では、そのような合理的な判断はできません。
「好きか嫌いか」「楽しいか楽しくないか」が、モチベーションに直接関わってきます。
そしてそのモチベーションが、勉強を好きになれるかの分かれ道にすらなり得るのです。
つまり、宿題のように勉強を義務化することで
・勉強を嫌いになりかねない
・勉強を学びではなく、作業にしてしまう
・自発性を損なう
ということに繋がる可能性があります。
また、宿題は親にとっても義務になってしまいます。
「とりあえず、いいからやっちゃいなさい。」
というように、こなさせることが目的になってしまいます。
つまり、親としても子どもの自発性を無視して押し付けるしかなくなってしまうのです。
正直、これは子どものことをしっかり考えている親にとっては、ストレスになりますよね。
さらには、学校の先生にとっても宿題を出してチェックするというのは、非常に重労働です。
そのような時間を割くのであれば、他のことに時間を使った方がよっぽど生産性が上がります。
減点評価になってしまう

また、宿題は「出されたものを終わらせる」ということが必要なため、どうしても減点評価になってしまいます。
「全部やり終わる」ということが基準なわけです。
子どもを成長させるためには、減点評価ではなくて、やったことや気持ちなどを全て評価対象に出来る加点評価にするべきです。
しかし、宿題という特性上、どうしても減点評価にならざるを得ないのです。

このような観点からも、宿題は子どものためになるとは言い難いですね。
まとめ

・宿題は小学生にはいらない
・最も大切なことは、子どもに学ぶことの楽しさを知ってもらうこと
・そのためには、好き・得意をどんどんやらせ、自発性を尊重するべき
・宿題は、義務になってしまい、減点方式になる
例えば子供が算数の勉強に集中している時に、国語の宿題があったらどうしますか?
算数の勉強をやめさせて、国語の宿題をやらせるのは、子どもの集中力もやる気も削いでしまいます。
宿題なんて無視して、子どもが没頭していることを優先させてあげた方が良いのです。
目的は、宿題をこなし続けることではありません。
子供の成長こそが、目的です。
目的を見失わないようにしてくださいね。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。