今回は、「捨てる力の重要性」についてです。
結論としては
・「何をやるか」の前に、「何を捨てるか」が重要
・優秀な人は、捨てる力が高い
となります。
自己投資をしたり色々なことに挑戦して、成長しようと向上心を持っている人は
・何をするべきか?
・何を始めると良いか?
・自分に何が必要か?
・自分は何が好きか?
・社会のニーズは何か?
などを考え、そして挑戦していきます。
もちろん、色々なことを考えて挑戦することは素晴らしいことですし、有益なことです。
しかし、ここで気を付けなくてはならないことがあります。
前向きに様々なことをやろうとしている人は、「やること」「頑張ること」についてはよく考え、挑戦していきます。
色々なことを吸収しようとしているわけですから、当然と言えば当然です。
しかしそれだけでは、まずうまくいかないのです。
継続できなかったり、成果を出せないのがオチです。
継続できて成果を出せる人には、共通して行っていることがあります。
それは
「何をやめるのか」「何をやらないのか」を常に判断して捨てている
ということです。
要は、優先順位をつけて取捨選択しているのです。
「捨てる」ということは、成果を出すために最も重要な要素と言えます。
そして優秀な人は誰もが、この「捨てる」という力が高いのです。
それでは、なぜ捨てることが重要なのか、そしてどのように考えればいいのかを説明していきます。
人の能力には限界がある

人は誰でも、毎日「判断して意思決定する」という作業を何度も何度も行っています。
「どの服を着ようか」
ということなども、判断の一つです。
そのような小さな判断も含めると、人が一日に判断する回数は35,000回以上と言われています。
そして人間の脳は
1日に判断できる回数の上限が存在する
ということもわかっています。
上限の回数については、具体的な数はまだわかっていません。
但し、かなり個人差がありそうだということはわかっているようです。
もちろん、この「判断できる上限の回数」を超えると、何も決められなくなるということではありません。
上限を超えると、「冷静な合理的判断」ができなくなり、「欲望に支配された判断」になってしまうのです。
脳の前頭前野の働きが低下するイメージです。
つまり上限を超えると、質の高い判断が出来なくなってしまうのです。
ですから良質な判断・思考をするためには
判断対象の取捨選択が必要
ということです。
同じ服を多数持っていて、毎日同じ服を着るというのもこれですね。
自分にとって優先順位の低いことについては、判断をしない状況にしてしまうわけです。
根性だけでは解決しない

多くの日本人は、親や学校から
頑張ればできる。
できないのは、頑張りが足りないから。
という根性論を叩き込まれがちです。
確かに頑張るのは大切ですし、最後の最後では気持ちがものをいうのは間違いありません。
しかし、「頑張れば何でもできる」「頑張れば解決する」というのは、明らかに誤りです。
判断回数上限の話でも分かる通り、人間の能力には限界があります。
1日24時間という上限も存在します。
ひたすら頑張ることを増やしていけば、判断・思考の回数も必然的に増えていきますし、時間も足りなくなっていきます。
ですから、「やること」や「頑張ること」を増やし続けていけば、どこかでパンクしてしまうのは明らかです。
判断・思考の質は下がりますし、生産性は落ちます。
結果として、頑張っているのに成果を出せず、継続できないという負の連鎖になるわけです。
要するに、頑張ることをひたすら増やしてはいけないのです。
何かを頑張るのであれば、他の何かやめるものを決めて捨てる
ということが必要です。
仕事が出来て優秀な人は、必ずと言っていいほど、これを徹底的に行っています。
優先順位の低いことは、どんどん捨てることで、やるべきことに対して労力を集中投下して成果を出すのです。
逆に、取捨選択できない人は、まず仕事や勉強ができません。
根性論や精神論は最終的には必要ですし大切なものですが、それだけで解決するほど甘くもありません。
100%頑張るのは危険

また根性論・精神論に偏り過ぎてしまう人は
限界まで頑張ることが大事
というような感覚を持ってしまいがちですが、これもかなりリスクが高い考え方です。
もちろん、100%頑張らなくてはいけない瞬間はあるでしょうが、それを常時継続しようとすることは危険です。
100%頑張り続けている状態は、糸が限界まで張っている状態ですから、簡単に切れてしまいます。
そんな状態は、長続きしません。
余裕を常に持っておくことが、継続することや成果を出し続けるためには大切です。
いつもは80%くらいで余裕を持ちながら、勝負所では短期的に100%でやる、というくらいがちょうどいいのです。
ですから、通常の状態が100%に近づいてきてしまっていると感じたら、迷わず何かを捨てて余裕を作りましょう。
物を捨てて減らす

どんどん捨てた方が良いのは、やること・頑張ることだけでなく、物も同じです。
物がたくさんあれば、判断回数が増えてしまいます。
どんどん判断・思考の質を落としてしまっているのです。
また、物が多い人は貧乏なことが多いです。
物が多いと把握しきれませんから無駄な買い物も増えますし、使ってない大量の物のスペースのために、家賃を払っている状態です。
物が多くてプラスなことは、ほとんどありません。
物をなかなか捨てられない人は
・1か月間、物を買って増やさない。
・1日3個でいいので、家の中の最もいらないものを捨てる。
ということをやってみるのも良いと思います。
物が減ると片づける手間も減りますから、時間に余裕が生まれるということにも繋がります。
まとめ

・何をやるか以上に、何を捨てるかが重要。
・人の脳は1日に判断できる回数の上限が決まっている。
・根性論や精神論に頼り過ぎない。
・常に限界まで頑張らない。
・物もどんどん捨てるべき。
整理や片付けが上手な人は、頭が良い傾向があることがわかっています。
そして
・整理や片付けが上手な人は、捨てる力が高い
・整理や片付けが下手な人は、捨てる力が低い
ということです。
捨てるということの本質は、優先順位をつけるということです。
人生は選択の連続です。
優先順位を明確にすることが、良質な選択に繋がります。
捨てないというのは、「捨てる」という判断から逃げているだけなのです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。