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困難は因数分解して解決する

困難は因数分解して解決する

今回は、困難な問題に直面した時の解決方法についてです。

 

結論としては

・困難な問題は、因数分解する。

・因数分解することで、困難な問題は簡単な問題の積み重ねに出来る。

・有能な人は、物事を可能な限り簡単なことに落とし込む。

となります。

 

仕事や日常生活など、ありとあらゆる場合において、人は様々な問題に直面します。

簡単に解決できる問題もあれば、解決が困難な問題もあります。

人は生きていく上で、解決しなければならない問題を避けて通ることはできません。

 

解決が簡単なことは良いとして、問題になるのは解決が困難なことです。

仕事においても、勉強においても、日常生活においても、それは同様です。

 

そして解決が困難な問題に対して、どのようにアプローチをしていくかが、有能な人とそうでない人の差とも言えます。

有能な人とそうでない人では、困難な問題に対するアプローチの仕方と、それによる解決への導き方がまるで違うのです。

 

様々な違いはありますが、その中でも最重要なものの一つが「因数分解」です。

因数分解とは

x² + 5x +6 = (x + 2)(x + 3)

のようなやつです。

数学で誰もがやったことがありますよね。

 

もちろん、困難な問題の解決に対して、このような数式を用いるというわけではありません。

因数分解の概念を使うということです。

因数分解の概念を利用できるかどうかは、仕事や日常生活などにおける問題解決に大きく影響します。

 

それでは、因数分解の概念や因数分解をどのように使うのか、そしてメリットなどについて説明していきます。

 

因数分解とは

因数分解で行っていることの本質は

複雑で難しいものを分解して、シンプルで簡単にする

ということです。

よく、「困難は分割せよ」と言いますが、まさにそれが因数分解です。

 

例として、数字を考えてみましょう。

960という数を因数分解すると(正確には素因数分解と言います。)

960 = 2⁶ × 3 × 5

となります。

960という数字ですが、分解していくと2・3・5という数字に分解できるわけです。

 

漢字でも同じように分解できることが多々あります。

「親」という漢字は

親 = 立 + 木 + 見

となります。

親という漢字は、立・木・見を組み合わせたものですから、立・木・見を書ける人であれば、親は書けるということになります。

 

つまり、複雑で難しいことも含めた様々なことは、実はシンプルで簡単なことの集まりと考えることが出来るのです。

つまり、因数分解をすることによって、簡単なことに落とし込めば

簡単なことを積み重ねることで、難しいことを成し遂げることが出来る

ということになるわけです。

 

このことは、様々なことに共通して言えることです。

 

有能な人ほど簡単なことに落とし込む

実は有能な人とそうでない人の違いは、「どれだけ難しい問題を解決できるか」ということではありません。

最も大きな差は

どれだけ簡単な問題に分解しているか

です。

 

有能な人がやっているのは、難しい問題を誰でも解決できるような簡単な問題の集合に分解しているのです。

つまり有能な人は、難しいことをできるというよりは、難しいことを簡単にすることが出来るということなのです。

難しいことを難しいまま行うのではなく簡単にすることで、上手くいく可能性は圧倒的に上がりますよね。

確率を上げるという意味でも、可能な限り簡単に落とし込むことは重要です。

 

要するに

有能な人 → 簡単なことにアプローチできるように工夫・努力する

無能な人 → 難しいことに対して、闇雲にアプローチする

ということです。

 

「いかに簡単にするか」ということを行うか否かで、結果が変わってくるであろうことは、容易に想像できますよね。

そもそも、難しいことをそのまま解決しようとするということは、分が悪いことは明らかです。

にも拘らず、無能な人は難しいことに正面から突っ込んでいくわけです。

有能な人が、簡単なことに対応する。

無能な人が、困難なことに対応する。

どちらが良い結果になるのかは、火を見るよりも明らかですね。

 

因数分解の具体例

では、因数分解の具体的な使い方を見てみましょう。

題材として、誰もが関係あるであろう「年金2000万円問題」を考えてみます。

ここでは因数分解の使い方について説明したいので、「実際に2000万円という金額が妥当か?」といった問題についてはスルーします。

 

現在30歳で、60歳までに2000万円貯める必要がある。

という設定にします。

30年間で、2000万円という老後資金を作らなくてはならないというわけですね。

2000万円という金額は、途方もない金額に思えます。

そこでこの問題を、因数分解していきましょう。

 

まずは、2000万円という金額は置いといて、「資産を増やす」ということを因数分解します。

資産増加額は、以下の式で表されます。

資産増加額=収入ー支出+資産×利回り

つまり、資産を増やすための要素は

・収入

・支出

・利回り

の3つです。

つまり、自分がアプローチできる変数は、この3つということです。

 

複数の変数がある場合、できるだけ一つずつ動かすようにしましょう。

動かす変数が多いほど、難しい問題になってしまいます。

 

まずは利回りの変数を考えます。

また、30年という期間は考えるのが困難なので、簡単にするために月単位まで落とし込みます。

2000万円 ÷ 360カ月(30年間) = 5万5555円

利回り0であれば(投資せず預金のみ)

毎月の収入 ー 毎月の支出 > 5万5555円

であれば、2000万円に達成することが可能です。

 

これを利回りを変えてみると、月々に必要な額は以下のようになります。

0% 2% 4% 6%
5万5555円 4万591円 2万8817円 1万9911円

となります。

0% 預金のみ

2% 米国債券

4% 米国債券+米国株式

6% 米国株式

というイメージです。

 

当然利回りが高くなる分だけ、リスクは高くなりますから、自分が取れるリスクと相談する必要があります。

 

後は、収入と支出をどのように出来るかを考えれば良いのです。

収入を増やすには

・昇給

・転職

・副業

などの方法がありますから、自分にとってどれが可能か検討すればいいわけです。

 

支出を減らすには

・携帯電話を格安SIMにする。

・無駄な保険を解約する。

・家賃を見直す。

など、様々な方法があります。

ひとつずつ取り組んでいけば、支出を減らすことに繋がります。

 

このように、困難な問題を全体的に捉えるのではなく、分解して一つ一つ考えれば解決が見えてきます。

分解して各個撃破のイメージです。

 

まとめ

・有能な人は、物事を因数分解する。

・因数分解することで、難しいことを簡単なことの積み重ねにする。

・いかに簡単に出来るかが、重要。

どんなことも、分解していけばシンプルになります。

そして分解したシンプルなものは、様々なことに通じています。

気付くと、色々なことが繋がっていきます。

 

仕事ができる人は、難しいことをこなそうとはしていません。

いかに簡単なことに落とし込むかということに、労力を割いているのです。

 

このことは、マルチタスクとシングルタスクのことと似ています。

色々なことを同時並行で行うマルチタスクは、実際には効率や生産性を下げているだけであることが分かっています。

一つ一つ着実にこなしていくシングルタスクこそが、効率や生産性が本当に高いやり方なのです。

 

それともう一つ。

仕事にしてもスポーツにしても勉強にしても、有能な人に共通していることがあります。

それが

基本を大切にする

ということです。

 

結局のところ、基本を着実に一つずつ積み上げていくことこそが、最も優れているのです。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。