健康・医療

糖尿病ってどんな病気?

糖尿病ってどんな病気?

今回は、生活習慣病である糖尿病についてです。

多くの人は

糖尿病は、血糖値が高くなる病気

と考えていると思いますが、それだと間違いではありませんが正確ではありません。

 

実際には糖尿病は

インスリンが正常に働かなくなることにより、糖代謝以上が起こる病気

です。

糖代謝以上が起こった結果として、血糖値が高い状態が慢性的に続いてしまうのです。

 

とは言え、そういわれてもよくわからないと思いますので、一から説明していきます。

 

糖尿病は様々な合併症を引き起こし、重症化すると命にもかかわる病気です。

当たり前ですが、糖尿病にならない方が良いですよね。

 

病気を予防したり改善するためには、その病気のことについてしっかりと理解することが重要です。

理解することで、自分がやるべきことがわかってくるはずです。

 

病気を治すのは医者の役割だから、医者に任せておけばいい

と考える人は多いでしょうが、それは残念ながら大きな間違いです。

糖尿病のような生活習慣病などは、病院で治療を受けても基本的に治ることはありません。

その理由して

・糖尿病などの生活習慣病の原因は、生活習慣が主で自分次第

・現在の標準治療は、間違いだらけで病気を治せないことが多い

ということがあります。

 

今後説明していきますが、生活習慣病に対する標準治療は間違いだらけです。

生活習慣病の患者は、年々増えていて死因の上位を占めています。

これは、生活習慣病が治らないということではありません。

医療が間違っているからです。

適切な対応をすれば、生活習慣病と無縁の生活をすることは可能です。

 

そしてそのためには、医療に頼るのではなく、自分で努力しなくてはなりません。

糖尿病を含めた病気について、正しく理解して自らの正しい生活習慣を身につける必要があるのです。

 

糖尿病とは

まず糖尿病とは

インスリンが正常に働かなくなることによって糖代謝異常が起こり、結果として血糖値が高い状態が慢性的に続いてしまう病気

のことを言います。

インスリンとは

糖代謝を調節し、血糖値を下げるホルモン。(後で詳しく説明します。)

 

糖代謝とは

ブドウ糖をエネルギーとして活用したり、肝臓に貯蓄したり、脂肪にして蓄える仕組み。(後で詳しく説明します。)

 

血糖値とは

血液中のブドウ糖濃度のこと。

 

糖尿病は大きく分けると、「Ⅰ型糖尿病」と「Ⅱ型糖尿病」があります。

それぞれの特徴は以下の通りです。

<Ⅰ型糖尿病>

・糖尿病患者の3~5%程度。

・若年者に多い。

・インスリンがほとんど出なくなることで起こる。

・原因はよくわかっていないが、自己免疫反応によるものではないかと言われている。

 

<Ⅱ型糖尿病>

・糖尿病患者の90%以上。

・中高年に多い。

・悪い生活習慣によって、インスリン分泌が減少したり、インスリンの働きが悪くなることで起こる。

・いわゆる生活習慣病。

 

Ⅱ型糖尿病は、末期状態になるまで症状がほとんど、あるいは全くないのが特徴です。

(Ⅰ型には、急激に発症するタイプと緩徐に発症するタイプがあります。Ⅰ型糖尿病は、生活習慣病のⅡ型糖尿病とは全く別物です。)

 

インスリンとは

糖尿病はインスリンの働きが悪くなること起こりますが、そもそもインスリンとはどのような働きをしているのか見ていきましょう。

病気を理解するためには、正常な状態を理解することが必要不可欠です。

 

インスリンとは

膵臓から分泌され、糖代謝を調節し、血糖値を一定に保つ

というホルモンです。

 

そして糖代謝とは

ブドウ糖(グルコース)をエネルギーとして活用したり、グリコーゲンとして肝臓に貯蓄したり、余ったブドウ糖は脂肪にして蓄える仕組み

のことを言います。

 

わかりにくいと思いますので、順を追って説明していきます。

糖質を食べて血糖値上昇

①食事から糖質を摂取する

②胃や腸で糖質がブドウ糖に分解される

③小腸でブドウ糖は血管へ吸収され、血液に乗って全身に運ばれる

④血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上昇する

 

このままだと、血糖値は上がったままになってしまいます。

ここからがインスリンの出番です。

糖代謝でのインスリンの働き

⑤膵臓のβ細胞からインスリンが分泌される

血糖値が上昇したのを察知して、膵臓にあるランゲルハンス島という細胞の塊の中にあるβ細胞からインスリンが分泌されます。

⑥インスリンの働きによって血液中のブドウ糖を

・筋肉などの細胞にエネルギーとして取り込ませる

・グリコーゲンに変えて肝臓に貯蔵させる

・余った糖は脂肪として蓄えられる

このように各組織にブドウ糖を取り込ませることで、その結果として血糖値(血液中ブドウ糖濃度)は下がります。

この一連の流れを糖代謝と言い、インスリンは糖代謝を調節することによって、各組織にブドウ糖を配り血糖値をコントロールしているということです。

 

つまりインスリンは、糖代謝を調節して行った結果として、血糖値を下げるということです。

 

インスリンが正常に働かなくなる理由

このようにインスリンは糖代謝を司ることにより

・エネルギーの使用

・エネルギーの貯蔵

・血糖値の調整

をコントロールしています。

 

糖尿病はインスリンが正常に働かなくなる病気ですから、「血糖値が高くなる病気」というよりは「糖代謝が正常に行われなくなる病気」と言ったほうが正確です。

糖代謝が正常に行われない結果の一つが、「血糖値が高くなる」ということなのです。

糖代謝が正常に行われなくなると、筋肉などにエネルギーとしてのブドウ糖が供給されなくなるため、身体がエネルギー不足に陥ります。

 

すると肝臓のグリコーゲンを分解したり、筋肉を分解してグルコース(ブドウ糖)を作ろうとします。

糖尿病が進行すると体重が減少してしまうのは、このように筋肉が分解されてしまうからです。

 

ではなぜ、インスリンが正常に働かなくなるのかということですが

・インスリン分泌低下

・インスリン抵抗性(インスリンの効果が低下する)

という2つの理由があります。

 

インスリン分泌低下

1つ目は、インスリンの分泌量が低下してしまうことです。

インスリンの量が少なくなれば、糖代謝が十分に行われなくなってしまいますよね。

 

先述しましたが、インスリンを分泌しているのは膵臓の中にあるβ細胞です。

β細胞は、インスリン分泌に特化した細胞で、人間の身体でインスリンを分泌できる唯一の細胞でもあります。

さらに、人間の身体のホルモンで血糖値を下げることができるのは、インスリンのみです。

ちなみに、血糖値を上げるホルモンは多数あります。

(膵臓の中のα細胞が分泌するグルカゴンなど)

人間は高血糖なってもすぐ死ぬわけではありませんが、低血糖は命に関わります。

以前の人間は食べ物を確保するのが容易ではなかったため、そのような状況でも生き延びられるように、血糖値を上げる方が優先になったわけです。

 

つまり糖代謝を正常に行い、血糖値が高くならないようにコントロールできるかどうかは、β細胞にかかっていると言えるのです。

しかし、頻繁に大量のブドウ糖が血中に送られてくると、β細胞はフル稼働状態になってしまい酷使されてしまいます。

血糖値を下げることができるのはインスリンだけで、そのインスリンを分泌できるのはβ細胞だけですから、β細胞は一身に負担を背負うことになるわけです。

 

そのような状態が続くことで、β細胞は機能不全に陥ります。

インスリンを分泌できるβ細胞が減ってしまえば、インスリンを分泌できる量は減少してしまいます。

その結果、糖代謝が十分に行われず、血糖値を下げることができなくなってしまうのです。

 

過剰な糖質の摂取は、β細胞に負担をかけて機能不全に追い込んでいることに他ならないわけです。

 

インスリン抵抗性

インスリンが正常に働かなくなる理由の2つめが、インスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性です。

 

このインスリン抵抗性の原因が、「内臓脂肪」と「高インスリン血症」です。

 

まず内臓脂肪ですが、内臓脂肪はインスリンを効きにくくする物質を出すことが分かっています。

内臓脂肪が多ければ多いほど、インスリンは効きにくくなっていくということです。

インスリンが効きにくくなれば、糖代謝を行い血糖値を下げるために大量のインスリンを分泌する必要があります。

大量のインスリンを分泌すればβ細胞の負担は大きくなり、β細胞はまたしても機能不全になってしまいます。

 

言うまでもありませんが、内臓脂肪の蓄積の最大の原因は、糖質の大量摂取です。

 

次に高インスリン血症ですが、これは血中のインスリン濃度が高くなってしまうことを言います。

インスリンがたくさん出ている状態が続くと、インスリンが効きにくくなる

ということです。

不思議なように思えるかもしれませんが、これは人間の身体では当たり前のように起こることです。

人間の身体は、ホメオスタシス(恒常性)という、身体の状態を一定に保とうとする性質があります。

ですから、同じ刺激がかかり続けると、そから身体を守るために抵抗性を持つのです。

鈍感になって、効きにくくなるイメージですね。

薬物耐性などがいい例です。

 

ですから、インスリンが大量に出ている高インスリン血症の状態が続くと、インスリンの効きが悪くなっていくということです。

 

インスリンを分泌するβ細胞

インスリンを分泌するβ細胞には、以下のような特徴があります。

・数が非常に少なく、膵臓全体の1%を占めるにすぎない(重さにして1g)

・ダメージ耐性が非常に低く、機能不全に陥りやすい

 

つまり

β細胞は、非常に少ない上に脆い

ということです。

血糖値を下げるホルモンはインスリンしかなく、インスリンを分泌できるのはβ細胞のみなのに、そのβ細胞は少なく脆いのです。

インスリンを分泌しなくてはならない負担が大きくなると、機能不全に陥りやすいのです。

唯一インスリンを分泌できるβ細胞が、どんどん機能不全になってしまえばインスリンは十分に分泌されなくなってしまいます。

 

つまり、貴重なβ細胞を守るためには、過剰な負担をかけないようにしなくてはならないのです。

 

まとめ

・糖尿病は、インスリンが正常に働かず糖代謝に異常が起こる

・インスリンは、人間の身体の中で血糖値を下げる唯一のホルモン

・インスリンを分泌できるのはβ細胞のみ

・β細胞は、少なく脆い

今回は、糖尿病の基礎的なところを説明しました。

血糖値を下げれば治る、というような単純な話ではないことが、お分かりいただけたと思います。

 

しかし、標準治療では血糖値を下げることを目的とした治療が多く行われています。

仮に血糖値を下げられたとしても、根本的な解決にはならない場合がほとんどです。

 

今後そのあたりを説明する記事を書きますが、端的に言えば摂取する糖質を減らさなければ根本的解決にはつながりません。

糖尿病は治療で治すのではなく、食事などの生活習慣で治したり予防しなくてはならないのです。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。