今回は、子ども同士のケンカの解決方法についてです。
結論としては
・子ども同士のケンカを大人が解決するのはデメリットが大きい
・本人同士で解決させるため、大人が悪役になると良い
となります。
兄弟げんかをはじめとして、子ども同士のケンカってよくありますよね。
そして、親や教師などの大人に言いつけに来ますね。
このような場合の多くは
・どのような流れでケンカになったのか、詳しくわからない。
・どちらの言い分が正しいのか、わからない。
・どちらかの味方をしたら、もう片方を傷つけるかもしれない。
という状況になるのではないでしょうか。
大人としても、そのような状況での正しい判断は、なかなか難しいですよね。
状況を把握していても、そもそも正しい判断というものは存在しないかもしれません。
ですから、できれば子ども同士でお互いが納得いく形で解決してくれるのが一番です。
そのために、一つ有効な方法を紹介します。
それは
大人が子どもたちの共通の敵になる
ということです。
大人が悪役になることで、子どもたちは一緒に考えて解決に向かうようになる可能性が高くなります。
それでは、子どものケンカを大人が共通の敵になって解決させることや、なぜ大人が解決しない方が良いのかなどについて説明していきます。
子どもの感性は大人の感性と違う

まず前提として理解しておかなければならないのは
子どもの感性と大人の感性は違う
ということです。
これは、どちらが正しいとかいうことではありません。
大人は子どもに比べて、様々な知識や経験を持っていて、「空気を読む」ということもできます。
そのため、一般的な常識と言われることから逸脱した行動は、あまりとりません。
しかし、子どもには知識や経験は少ないですし、「空気を読む」ということもあまり上手くできません。
そのため、大人から見れば理解できないような行動をしたりしますが、その分大人に比べて自由な発想を持っています。
大人にはできないような発見をしたり、解決策を考えることができたりします。
物事の見方や捉え方が違う以上、ケンカの解決方法も大人と子どもは違うのが当たり前なのです。
つまり
大人にとっての正解が、子どもにとっての正解とは限らない
ということです。
大人が良かれと考えて行ったことが、子どもにとっては受け入れがたいということも、十分にあり得るのです。
自分たちなりのルールを作ることが大切

子どもが大人に言いつけに来るというのは
自分が正しくて相手が間違っていることを、大人を使って証明したい
ということです。
自分の言葉でうまく言えないし、相手を言い負かすこともできないから、大人という強力な武器を頼るわけです。
しかし、子どもたちが自分たちの社会を作っていく上で大切なのは、当事者同士の話し合いです。
自分たちの感性や感情をお互いにすり合わせながら、時にはぶつかり合い、共通の納得できるルールを作っていくことが重要なのです。
それが、成長です。
しかし、絶対的な存在である大人が外から働きかけてしまうと、それが優位性を持ってしまいます。
すると、話し合いを通して状況に合わせたルールを作ったり、困難を乗り越えようとすることを子どもはしなくなってしまいかねません。
大人に依存して、自分たちで考えなくなってしまうのです。
また、大人と子供の感性は違いますから、大人による外側からのルールなどは当事者の気持ちを無視した不自由さを作ってしまう場合もあります。
要するに、大人が外から解決のために働きかけることは
・子どもたちが、自分で考えて工夫しなくなってしまう
・子どもたちの気持ちや感性を、無視した不自由さを作ってしまう
ということに、なってしまうかもしれないということです。
ですから子どもたちの社会に対して、大人の絶対的な権力を行使しないようにしたいのです。
大人が悪役を引き受ける

そこで、子どもたちがお互いに話し合って解決に向かおうとするために有効なのが
大人が悪役を引き受けて、子どもたちの共通の敵になる
ということです。
ケンカしている子どもたちは
自分 → 正義
相手 → 悪
と感じているわけです。
だからこそ、正義を主張して、悪を懲らしめたいのです。
ではそこで、大人がさらに強大な悪になって、子どもたちの共通の敵になったらどうなるでしょうか。
「敵の敵は味方」というように、多くの場合仲間になって団結します。
共通の敵に立ち向かうために、お互いが話し合って協力するようになるのです。
少しわかりにくいかもしれないので、我が家の例を出します。
我が家で、よく繰り広げられている光景です。
7歳の姉と5歳の弟が、おもちゃを取り合っていて、父である僕にお互いが言いつけに来ます。
お互いの言い分は、食い違っていたり、正直何言っているかわからないこともしばしばです。
父「状況がよくわからないけど、二人で相談して仲良くやれないの?」
姉「だって!!私は悪くないから仲良くできない!!」
弟「ねーちゃんが悪い!!」
父「そっか、じゃあ捨てよう。二人で相談して決められないなら捨てるわ。」
姉・弟「イヤだ」
父「だって、仲良く相談してやれないんでしょ?」
姉・弟「仲良くできる!!」
父「じゃあ、話し合ってうまくできる方法を考えな。」
姉・弟「考える・・・」
ざっくり言うと、こんな感じです。
おもちゃを捨てられるというのが、2人にとって最悪のケースです。
それを回避するために、2人で一生懸命考えて、うまくやれる方法を探しています。
父親という二人にとって共通の敵を作ることによって、お互いが協力して解決策を考えるようになるわけです。
ここで重要なのが、頑張って解決策を考えないのであれば、心を鬼にして本当に捨てることです。
こちらも本気でないと、子どもも本気になれませんからね。
実際に僕は、今まで相当な数のおもちゃなどを捨てています。
また、子どもたちが頑張って考えているようであれば、一緒に考えてあげるのも良いかと思います。
ただし、あくまでも主体は子どもです。
そのことを忘れて、大人が前面に出すぎてはダメです。
大人から見たら、不公平な結論になったとしても、子どもたち自身が納得していれば良いのです。
子どもたちが頑張って考えて出した結論に対して、否定するのは最悪です。
大人と子どもの感性が違うことを忘れてはいけません。
まとめ

・子どものケンカは、大人が答えを示さない方が良い
・大人が共通の敵になることで、自分たちで解決策を探させる
・自分たちで考えて、自分たちなりのルールを作ることが大切
・大人と子供の感性は違うことを忘れない
大人が子どもに対して考えるべきことは
どうしたら、子どもたち自身が考えて行動できるか
ではないでしょうか。
そのためには、大人は悪役であろうと、必要な役回りを演じてあげて欲しいと思います。
答えを教えて型にはめることではなく、考えて失敗してリトライする子どもたちを、あたたかく見守ってあげてください。
そして、どうしても必要な時には、手を貸してあげたいものですね。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。