今回は、「子どもが将来の夢を持つこと」についてです。
結論としては
・子どもは、必ずしも将来の夢や目標を持たなくても良い
・大人が子どもに夢や目標を持たせようとするのは、ただの害
です。
大人が子どもに対して、よく言うこととして
「将来なりたいものは何?」
「将来どんな仕事をしたい?」
「将来の夢を持たなきゃダメだよ。」
「夢を持とう!!」
「夢を持つから成長できるんだ」
というようなことがありますが、はっきり言って害でしかないので、即やめるべきです。
デメリットしかありません。
また、進路相談などで教師や親が
「君には、こういう職業が向いている」
「あなたには、そういう仕事は合っていない」
「こういう仕事に就いてほしい」
などと、意味不明の上から目線でとやかく言うのも、最低最悪です。
悪影響の極みです。
勘違いしないでもらいたいのは、子どもが夢や目標を持つことがデメリットしかなく、良くないことだと言っているわけではありません。
子どもが、自発的に将来の夢や目標を持つことは、とても素晴らしいことです。
但し、あくまでも「自発的に」です。
夢や目標を持つことが当たり前であり重要であることかのように、大人が質問したり誘導したりすることが、害なのです。
卒業アルバムに、「将来なりたい職業」のようなことを書く欄があるのなんかは、典型的な害です。
子どもは夢や目標を持っていなくても何の問題もありませんし、そもそも大人に言われて持つようなものではありません。
それでは、子どもが夢や目標を持たなくてもいい理由や、大人がとやかく言うことが害である理由について説明していきます。
大人の常識は役に立たない

大人が子どもに、あれこれ言うことが害になる最大の理由は
大人の常識や感覚は、子どもたちにとって役に立たない
ということです。
大人は、このことをまず理解する必要があります。
本来、当たり前のことなのですが、理解していない大人があまりに多いのです。
年月が経てば、時代は変わり、状況や環境は変わっていきます。
特に現代は、すごいスピードで変化しています。
現在大人になり親になっている世代は、子供の頃にはスマホもなければ、SNSもありませんでした。
当然、YouTuberのような働き方なんて想像すらできませんでした。
しかし、今となってはスマホやSNSやYouTuberなどが当たり前の世の中です。
今の大人たちが子どもだったときに親だった世代は、現在の高齢者です。
現在の高齢者にとって当たり前だった、「いい大学に入って、いい会社に入って、定年まで勤めて、退職金と年金で老後を暮らす」という王道は、すでに崩壊しかけています。
終身雇用は崩れ、退職金も年金も年々減少の一途になります。
そのような将来を現在の高齢者たちは、子育てをしている時に、当然想像すらできなかったはずです。
そしてそのことは、今の親世代についても同じことが言えるのは、言うまでもありません。
その時代の変化に対する感度は、若い方が圧倒的に高いのは確実です。
歳をとっている方が、時代に取り残されていきます。
そのような人たちが、子どもや若い人に対して将来を語ったりアドバイスをするのは、害にしかなりません。
自分たちが全く想像も理解もできないであろう時代の生き方を、語っちゃうわけですからね。
しかも、大人たちも世の中のことは知らないことだらけなのにです。
ただ単に
大人は自分たちの狭い世界観や先入観を、子ども達に押し付けているだけ
なのです。
時代を作るのは、必ずその時の若い人たちです。
大人は、子どもや若い人たちを温かく見守り、必要な時はそっと手を差し伸べれば良いのです。
そのような大人が非常に少ないのは、残念でなりません。
視野・選択肢が狭まる

次に、子どもの頃から夢や目標を持たせることの弊害として
将来の視野や選択肢が狭まってしまう
ということもあります。
人は一生をかけて、様々な経験をして、色々なことを知って学んでいきます。
しかし大人でも、経験したことがないことや知らないことだらけですよね。
一生貪欲に学び続けたとしても、経験したことがないことや知らないことの方が、圧倒的に多いのでしょう。
人間が一生で知ったり経験できたりすることなど、限られているのです。
大人でもそうなのですから、子どもはなおさらです。
知らないことばかりで、経験したことがあったり知っていることは、ほんのわずかです。
ただ、大人に比べて子どもの吸収力は圧倒的に大きいです。
これは、知らないことだらけだから、というだけではなく
子どもは大人に比べて、好奇心が段違いに強い
ということにもよります。
大人が全く興味を示さないものにも、興味を示して知ろうとします。
そのため、人は若ければ若いほど、より多くの物を吸収していきます。
しかし、子どもの頃から夢や目標を持たされると、好奇心が阻害されてしまう可能性があるのです。
当然ですが、夢や目標というのは、自分の知っていることの中から選択されます。
知らなかったり経験したことの無いものは、夢や目標にしようがありません。
つまり、子どもの頃や若い頃から夢や目標を固定化してしまうということは
まだ知らない多数の選択肢を捨ててしまう
ということになりかねないのです。
絶対にそうなってしまうわけではありませんが、少なくとも視野は狭くなってしまいます。
何かに夢中になると、他のことが目に入らなくなることは、誰もが経験がありますよね。
それに近いイメージです。
もちろん、自発的に夢や目標を持つのであれば、それは否定されるべきことではありません。
しかし、大人が夢や目標を持つことを押し付けることは、ただ単に子どもや若い人たちの選択肢を狭めるだけになってしまうかもしれないのです。
さらには、時代はどんどん変化しています。
現在の変化のスピードもすごいですが、今後も凄まじいスピードで変化していくと考えられます。
そのため今後は、今までなかったような新しい職業が生まれてくるでしょう。
そして逆に、現在ある多数の職業は消えていきます。
AIがやってくれるようになったししますしね。
子どもの頃からなりたい職業を決めて努力し続けたとしても、将来大人になったときにその職業が存在しないかもしれないのです。
そのように考えると、早い段階でなりたい職業を決めることは、リスクが大きいと言えるわけです。
大人が子どもにやるべきこと

はっきり言って、大人は子どもに対して、余計なことをしないに限ります。
親などの大人が子どもにやるべきことは
子どもが興味を示したことをやれる機会を作り続ける
ということくらいです。
興味があることを見つけるチャンスを作るために、色々なことを経験できるようにすればいいのです。
一言で言えば
チャンスを提供する
ということです。
そして経験したものの中から、興味を持った様々なことに挑戦・失敗をさせてあげるのです。
そしてそれを、見守ってあげましょう。
傷ついたときには、わからないように守ってあげてください。
必要な時にだけ、立ち上がれるように手を差し伸べてあげてください。
大人が子どもに出来ることは、そのくらいのものなのです。
まとめ

・子どもは、夢や目標を必ずしも、持つ必要はない。
・早期に夢や目標を持つと、選択肢が狭まり、リスクになる。
・大人は新しい時代のことを理解できないので、あれこれ言わない。
・子どもが興味のあることを、とにかくやらせてチャンスを与える。
大人は、自分のことを過信しすぎです。
過大評価しているのです。
まずは、謙虚になりましょう。
自分が無知であることを知って、認めなくてはなりません。
そして、子どもたちの可能性を潰さないようにしましょう。
大人は子どもの可能性を、潰すことを平気でしてしまっているのです。
子どもは、大人よりも感性が豊かで創造力があり、そして頭が良いのです。
大人は子どもの劣化版に過ぎません。
自分を疑い、子どもを信じることから始めましょう。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。