今回は、子供たちの将来・未来に対して、大人たちが「やるべきこと」と「やるべきではないこと」についてです。
結論としては
・大人が子どもの将来に口出しするのは害でしかない
・大人は自分が無知であることを認識するべき
・大人がやるべきことは、子どもにチャンスを与えて見守ること
です。
親や教師などの大人は、子どもの将来のことについて、色々とアドバイスをしたり教えたりします。
もちろんほとんどの場合は、子どもの将来を心配してのことでしょうから、悪意ではなく善意によるものでしょう。
良かれと思って、大人は自分の経験や価値観や常識を子どもに伝えようとします。
しかし、これは押し付けでしかありません。
子どもに対して良かれと思ってのことだとしても
大人の子どもへの押し付けは、害にしかならない
ということを大人は認識しなくてはなりません。
子どもにとっては、完全にマイナスにしかならないのです。
では、なぜ大人が子どもに対して良かれと思って行うことが害にしかならないのか、説明していきます。
大人は時代遅れ

大人が子どもに対して、色々と教えたりアドバイスしたり叱ったりする際に、その根拠になっているのは「自分の常識」や「自分の経験」です。
自分のこれまでの人生を基に、子どもたちに色々伝えようとしているわけですが、残念ながらそれは子どもたちにとって無益なことが多いのです。
無益どころか、むしろ害になってしまうことの方が多いでしょう。
それは
大人の常識や経験は、子どもの時代にはマッチしない
ということが原因です。
当たり前のことでなのですが、多くの大人はこのことを理解できていません。
時代は変化していきます。
物事の正解と考えられることや常識などは、どんどん変わっていきます。
30年前や40年前の段階で、終身雇用制度が崩壊して転職が当たり前になることを予測できた人はあまりいませんよね。
20年前に、ここまでスマホが普及している時代を誰が予測できた人なんてまずいません。
大人たちが拠り所にしている経験や常識を形作った時代はとっくに終わっていて、現在には存在しません。
にも拘らず多くの大人たちは、自分たちが歩いてきた道ではない新しいものを、無意識に否定してしまう傾向にあります。
いわゆる一つの自己防衛本能です。
自分を否定されたくないわけです。
もちろん、大人でも現在の時代を理解して、時代に沿っている人も一定数いるでしょう。
それでも新しい時代の常識を当たり前の前提として捉えられる若い人たちと、全く同じような感性でとらえられる大人は、ごくごく少数でしょう。
それだけ若い頃に経験したものなどは、自分を形成する上で大きなものなのです。
つまり
年齢を重ねるほど、大人の脳は『時代遅れ』になる
というのが現実です。
これは、決して大人が悪いというわけではありません。
ある意味、当たり前で仕方のないことです。
自分たちが若い頃に経験してきたものを全て頭から消し去ることなんて無理ですよね。
そして昔の経験や常識も、現代に役立つことも多々あります。
しかし、それはあくまで補助的な役割としてです。
メインは、今現在であることは間違いありません。
そもそも今の中高年の人や高齢の人も、自分が若い頃に上の世代に色々言われたはずです。
そんな時に
そんなのは古い!!これからは俺たちの時代だ!!
と感じたことがあると思います。
そのように自分たちが思ったことと同じことを、自分たちも逆の立場でやっているのです。
まるで部活で先輩にしごかれたことを根に持って、同じことを後輩にやるようなものですよね。
単なる負のスパイラルです。
そしてさらに、現代は過去に経験したことがないほど、時代の変化のスピードが速くなっています。
昔の大人が時代遅れだった以上に、現代の大人は時代遅れなのです。
大人たちは、自分が時代遅れの考え方だということをしっかり自覚することが必要なのです。
さらに言えば
子どもたちにとっては現在ですら時代遅れ
ということが言えます。
現代を作っていくのは今の若い人たちですが、子どもたちは未来を作って生きていく世代です。
子どもたちに将来のことをアドバイスするためには、現代を理解しているだけでも不十分で、未来が見えていなくてはなりません。
現代ですら理解できていない大人にとっては、そんなことは不可能です。
大人たちは、子どもたちが自分たちには理解も想像もすることが出来ない時代を生きていくということを理解する必要があります。
大人は自分の無知を自覚するべき

ここまで見てきたように、大人は現代や未来に関しては、理解も予測もできません。
そのような意味で、子供たちの将来について、的確なアドバイスをすることは難しいわけです。
しかし、それだけではありません。
大人は、自分が生きてきたこれまでの時代において、どれだけのことを知っていたり経験してきたのでしょうか。
世の中のわずかな一部のことのみです。
どんな時代であろうと、世の中はとても広いのです。
その中で一人の人間が、経験したり理解できることなんて、ほんのわずかでしかないのは当たり前のことです。
わからないことや経験していないことの方が、圧倒的に多いのです。
大人が子どもの将来についてアドバイスをするときは、自分の知っている範囲でしかできませんよね。
狭い狭い範囲のことしか、伝えられないのです。
それなのに、多くの大人は自分が何でも知っているかのように勘違いして、アドバイスをしています。
子どもたちにとってみれば、それに素直に従うということは、世の中に存在する多くの選択肢を捨てていることに他なりません。
言ってみれば、大人が子どもの可能性を狭めてしまっているのです。
大人は、自分のことを過信しすぎです。
大人に求められることは、「無知の知」です。
教えるのではなく見守る

このように、大人は子どもの将来に対して、いろいろと教えることは逆効果です。
では、大人は子どもたちに何もできないかと言えば、もちろんそんなことはありません。
子どもたちは、自分だけで様々なものを見たり経験したりできるわけではありません。
金銭的な面においても、自分で世界を広げていくのには、限界があります。
ですから大人が、それを手助けしてあげる必要があります。
・子どもに、知らない世界をできるだけ見せてあげる
・子どもが関心を持つものを、可能な限りやらせてあげる
などですよね。
チャンスを与えることこそが、大人の役割です。
つまり
〇 子どもにチャンスを与えて、それを見守る。
× 子どもに、自分の考えを教える。
ということです。
子どもが挑戦している所を見守り、挫折してもまた挑戦できるチャンスを与えてあげましょう。
もし子どもが自分で立ち上がれなさそうなときは、そっと手を貸してあげたり、一旦休める場所になってあげるのが親をはじめとした大人の役割です。
まとめ

・大人が子供の将来に口出しするのはマイナス。
・大人の自分の経験や常識は時代遅れ。
・大人は自分が何も知らないことを理解するべき。
・子どもにチャンスを与えて見守ることこそが大人の役割。
大人は自分を過信しすぎで、子どもを見くびり過ぎています。
大人がしてあげられることなんて、本来的にはそんなにありません。
はっきり言ってしまえば、大人は子どもの劣化版です。
子どもは好奇心の塊で、自由です。
そんな時に、偏った常識などを押し付けるのは、その才能を潰してしまいかねません。
やりたいことや興味のあることを、やらせてあげてください。
そして、それを見守ってあげて欲しいです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。