今回は、具体化スキルと抽象化スキルについてです。
結論としては
具体化・抽象化スキルは、ビジネスパーソンとして必須スキル
となります。
仕事において、有能な人もいれば、そうでない人もいます。
能力値というのは、身長などと同じように、遺伝に大きく影響されるのは間違いありません。
しかし、有能な人とそうでない人の間の差は、決して生まれつきの能力の差だけではありません。
仕事などへの取り組み方や捉え方・考え方などにおいても、大きな差があるのです。
生まれながらの能力だけでなく、やり方によって生じている差も確実にあるわけです。
ですから有能でない人は、有能な人が行っていることを学んで実践すれば、有能に近づいていくことが可能です。
真似すれば良いのです。
そこで今回は、有能な人が行っていて、そうでない人が出来ていないことの中から、「具体化・抽象化」について説明します。
有能な人は、物事を「具体化・抽象化する」というスキルを持っていて、自在に両者を行き来しています。
「具体化・抽象化」のスキルを身につけることで
・アイデアを出せるようになる。
・わかりやすく説明できるようになる。
・物事を俯瞰的に捉えることが出来るようになる。
というようなメリットがあります。
では、「具体化・抽象化」について説明していきます。
具体化・抽象化とは

当たり前ではありますが、具体化とは物事を具体的にすること、抽象化とは物事を抽象的にすることです。

具体・抽象とは
具体 : 感覚でとらえられること
抽象 : 概念として捉えること
といったような意味があります。
もう少しかみ砕くと
具体 : 個別のこと(各論)
抽象 : 枠組みのこと(総論)
といったようなイメージになります。
有能な人は、仕事においてもプライベートにおいても、この具体と抽象を何度も何度も往復します。
具体化と抽象化を繰り返すのです。
具体化と抽象化のスキルは、非常に大切なスキルなのです。
抽象化のメリット

抽象化は、具体的・個別な事柄を概念に昇華させる作業です。
抽象化をすることによって
・物事の本質を見抜くことが出来る。
・俯瞰的(広い視野・客観的)に、物事を見ることが出来る。
・アイデアの源になる。
というようなメリットがあります。
一つ、簡単な例を出してみます。
例えば、若者に人気のある飲み物を売り出すために、その企画を考えなくてはならないとしましょう。
まずは、これまで若者にどのような飲み物が流行ってきたのかをリサーチします。
リサーチの結果として
・ナタデココ
・アロエ
・タピオカ
などがピックアップされてきたとします。
次に、これらの飲み物に共通することを考えていきます。
すると
・飲み物の中に、歯ごたえの良いものが入っていること
・飲むだけでなく、小腹を満たすことが出来ること
などの共通点が見えてきます。
これが抽象化です。
このように考えることで、これら抽象的な事柄を満たすような飲み物が売れる可能性が高いのではないかと考えることが出来るわけです。
その後は具体化していき、商品の開発につなげるという流れですね。
(実際にはこんなに簡単ではなく、もっと複雑に様々なことを考え、具体化・抽象化を繰り返します。今回はわかりやすくするために、シンプルにして説明しています。)
このように、具体的な事柄を抽象化することで、大枠や傾向などを把握することが出来るようになります。
具体化のメリット

抽象的な概念を、個別な事象に落とし込んでいくことが具体化です。
細かく明確にしていく作業ですね。
具体化をすることによって
・思考が明確になる。
・行動するべきことが明確になる。
・人に伝えるのに役立つ。
といったメリットがあります。
例えば、勧善懲悪の概念を子どもに説明しようとした場合、そのまま説明しようとするよりも、「桃太郎」や「水戸黄門」などの話をした方が伝わりますよね。
これが具体化です。
「勧善懲悪」という抽象的概念を「桃太郎」や「水戸黄門」という具体例に具体化しているわけです。
このように、例え話という具体化をすることで、伝わりやすくなります。
具体化も大切なことではありすが、抽象化に比べたら難易度は低く、出来ている人は多いかもしれません。
抽象化スキルの鍛え方

抽象化スキルを鍛えるために、効果的とされている方法は
目に入った関係性がないと思われる二つの物の共通点を探す
ということです。
例えば、「飛行機」と「アンパン」の共通点は何でしょうか。
これを考えるときのコツとしては、片方の特徴を挙げていき、その中でもう片方に当てはまるものがないか考えると良いです。
飛行機の特徴としては
・動く
・速い
・飛ぶ
・操作する
・燃料が必要
・人や荷物を運ぶ
などがあります。
(もちろん、もっとたくさん挙げられたら挙げた方が良いです。)
この中で、アンパンに当てはまるものを探します。
例えば、「人や荷物を運ぶ」ということについて、「飛行機は人や荷物が中にある(いる)」とも言えますよね。
アンパンも中に、メインの「あんこ」が入っています。
ですから、飛行機もアンパンも「外からは見えないけれど、中に大切なものを含んでいる」という共通点があります。
このように、何か二つの物の共通点を探すと、抽象化能力が鍛えられます。
他には
インプットしたものを、アウトプットする
という学ぶ上で最重要なことも、抽象化スキル向上に役立ちます。
アウトプットするためには、しっかり理解する必要がありますから、様々なことを調べたり学んだりして考えます。
その過程で、物事をまとめるという抽象化スキルが少しずつ身についていきます。
具体化スキルの鍛え方

具体化スキルを鍛えるためには
物事を因数分解する
ということが有効です。

物事を細分化・シンプル化して考えていくことは、具体的なものに落とし込んでいることに通じるものがあります。
その時のコツとしては、「5W1H」を考える癖をつけることがお勧めです。
5W1Hとは
What、When、Who、Where、Why、How
ですね。
因数分解してこれらを考えることによって、具体的な行動が見えてくるようになっていきます。
まとめ

・「具体化・抽象化スキル」は非常に大切。
・抽象化することで、俯瞰的に見れて本質を見抜くことが出来る。
・具体化することで、思考や行動が明確になり、人に説明できる。
・抽象化スキルは、様々なものの共通点を探して鍛える。
・具体化スキルは、5W1Hを考えて鍛える。
具体化スキルと抽象化スキルは、ビジネスにおいて必要不可欠と言っても過言ではありません。
ビジネスだけでなく、一般生活においても非常に役に立つスキルです。
是非、鍛えてみてください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。